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『吉野家』が牛丼並盛を426円に値上げ。食材高騰による大手外食チェーンの動きは?

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写真はイメージ。画像素材:PIXTA

食材価格の上昇により、飲食店はさらなる苦境が強いられている。なかでも「ミートショック」と呼ばれる輸入牛肉の価格高騰の影響は広がりを見せ、牛丼チェーンの『吉野家』は、牛丼並盛を426円に値上げした。ほかの大手外食チェーンは食材高騰にともない、どのような対策をしているのだろうか? 気になる値上げ状況を見ていきたい。

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輸入牛肉や原油の価格高騰で、大手牛丼チェーンが値上げ

新型コロナウイルスの感染拡大で生産と流通が不安定になっていたところに、アメリカや中国の経済活動再開で需要が高まったことで、輸入牛肉や原油の価格が上昇している。

こうした状況を受け、大手牛丼チェーンの『吉野家』は10月29日、主力メニューの値上げに踏み切った。「牛丼並盛」の店内飲食価格は、改定前の387円から426円に39円値上げ。牛丼、牛カルビ丼、豚丼の「特盛」へのサイズ変更は+352円となり33円値上げ、「超特盛」へのサイズ変更は+473円となり55円値上げとなった。「朝牛セット小盛」は、437円から481円に改定された。

輸入牛肉の価格高騰はもちろん、原油高によって物流費がかさむことや、コロナ禍のテイクアウト需要により包装材のコストが上昇していることも、値上げの要因になったという。

一方、同じく牛丼チェーンの『松屋』では、9月28日より関東地方の一部店舗で販売されてきた「プレミアム牛めし」の販売を終了し、「牛めし」のリニューアルと価格改定を行った。

これまで、通常の「牛めし」は冷凍牛肉を使用し320円、「プレミアム牛めし」はチルド牛肉を使用して専用の黒胡麻焙煎七味が付き、380円で提供されてきた。ところが、新型コロナウイルスの影響でチルド牛肉の輸入が滞り、2020年6月からは「プレミアム牛めし」においても冷凍牛肉で提供される状態となっていた。今回のリニューアルでは「プレミアム牛めし」が廃止され、すべての店舗でタレとみそ汁をマイナーチェンジした新たな「牛めし」を380円で販売することになった。従来の320円から60円の値上げとなる。

『びっくりドンキー』は平均25円値上げも、主力商品は据え置き

値上げに踏み切ったのは牛丼チェーンだけではない。ハンバーグレストラン『びっくりドンキー』でも、10月27日から店内飲食や持ち帰り、11月10日から宅配の際の価格を引き上げると発表した。なお、店内飲食の価格改定は直営店が対象で、フランチャイズ店は来年4月に予定する。

値上げの対象となるのは、サラダやドリンクを中心とした264品中64品。平均25円の値上げとなる。ただし主力メニューのハンバーグは顧客離れを防ぐために値上げを見送り、ピザなど一部は値下げを行った。

食材高騰や物流費の上昇に加え、アルバイトの採用難に伴って人件費が高くなっていることも影響し、値上げに踏み切ったという。

写真はイメージ。画像素材:PIXTA

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値上げは必要不可欠も、顧客離れを起こさない工夫を

食材価格が高騰する中、安定したクオリティーの商品を提供するためには、値上げは避けられないだろう。ただし、顧客離れを防ぐ施策もセットで考えることが重要だ。

例えば、『吉野家』は10月13日、既存店をソファーやテーブル席でゆったりと牛丼を楽しめる新型店舗「クッキング&コンフォート」へ切り替えていく動きを加速すると発表。女性客をはじめゆったりとした環境を求める顧客を取り込むことができると、従来の安さや早さを求める顧客よりも、価格の値上げが受け入れられやすくなるだろう。

国内で新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、感染拡大防止と経済活動の両立を目指す動きが高まる中で、飲食店にとって値上げは苦渋の決断だ。値上げをしても顧客が離れないよう工夫したり、新たな顧客を開拓したりといった姿勢が重要となるだろう。

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松尾友喜

About 松尾友喜

和歌山の地元情報誌の編集部でパンの特集や連載、商品開発を手掛けるなど、“パン好き編集者”として活動。2018年に独立し、フリーランスのライター・編集者として、パンをはじめ食関連、旅と街歩き、インタビューなど幅広い分野で取材・執筆している。