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「ミシュランガイド京都・大阪2024」発表。三つ星は『HAJIME』『瓢亭』ほか8店

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グリーンスターは9軒、いずれも昨年から続けて掲載

2021年版から始まった、サステナブルガストロノミーに取り組む店舗を評価する「ミシュラングリーンスター」に選ばれたたのは9軒。いずれも、昨年から引き続きの選出で新規掲載店はないが、京都の6店舗については「より力の入った姿勢が見られた」との評価を受けている。具体的な取り組みとしては、『柏屋』と『雲鶴』が研究機関と協力して魚介類の持続可能性に尽力しているほか、『寺田』が環境に配慮した食材を使っていることなどが紹介された。グリーンスターに選出された店は次の通り。

【京都】
草喰 なかひがし(日本料理/二つ星)
美山荘(日本料理/二つ星)
高台寺 和久傳(日本料理/二つ星)
室町 和久傳(日本料理/一つ星)
十五(蕎麦/ビブグルマン)
丹(日本料理/ビブグルマン)

【大阪】
柏屋(日本料理/三つ星)
雲鶴(日本料理/一つ星)
寺田(日本料理/一つ星)

画像素材:PIXTA

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個人賞に選ばれたのは『瓢亭』髙橋氏、『美山荘』中東氏

今回とくに注目したいのが、京都・大阪では初めて行われた「サービスアワード」と「メンターシェフアワード」だ。サービススタッフや料理人など、個人にスポットを当てた賞で、日本では「ミシュランガイド東京2022」で導入された。

サービスアワードは、“おもてなしに優れたスタッフ”を評価するアワードで、今回は、二つ星での掲載となった京都の料理旅館『美山壮』の中東佐知子氏が選ばれた。「地域の食文化や自然の魅力を伝えるしなやかな接客」などが評価された形だ。中東氏は受賞コメントで、『美山壮』にとってのおもてなしとは「人を思う気持ちに尽きる」と語っている。

一方、メンターシェフアワードは、手本となるような経歴を歩み、後進の育成にも尽力している料理人・シェフに対して贈られるアワードだ。今回は、日本料理・京料理の伝統や文化を次代に伝えているとして、『瓢亭』の髙橋英一氏が受賞した。髙橋氏は受賞に際し、喜びと共に「自分で目標としていた生涯現役というものを、今も続けていられるということは非常に嬉しいことだと思っています。83歳を過ぎましたが、まだしばらく包丁を持っていたい」と話した。

また、今回の発表会では『ミシュランガイド京都・大阪2023』から英語が併記されることも発表された。須藤氏は、「国内の方のみならず、世界中の皆様に京都・大阪の食の魅力を広く知っていただくお力添えになると確信しています」とコメント。大阪は、2025年に大阪・関西万博を控えており、今後、インバウンド需要増加が期待されている。

飲食業界では、いまだ新型コロナウイルスの影響が続いているが、今回のミシュランガイドが、京都・大阪の食文化や飲食店のさらなる発展につながることを期待したい。

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中森りほ

ライター: 中森りほ

グルメ系ウェブメディアの編集・ライターを経てフリーライターに。フードアナリストの資格を持ち、現在マガジンハウス『Hanako.tokyo』や徳間書店『食楽web』、ぐるなび『dressing』、日経『大人のレストランガイド』などで飲食店取材記事や食のエッセイを執筆中。