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夜は4回転することも!『烏森百薬』が打ち出す「名店のセレクトショップ」という必勝策

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『絶メシ食堂』で提供している、千葉県・木更津市『とみ食堂』のポークソテーライス

ランチタイムの『絶メシ食堂』など、誰もがWin-Winになれる取り組みも話題に

『食と人間の価値でより良いまちづくりへ貢献する』というビジョンを掲げるミナデイン。飲食店を作る際は、立地が決まってからコンセプトを決め、まちづくりに貢献するような店作りを行うという。『烏森百薬』もこの立地ありきで誕生し、コロナ禍では様々な取り組みも実施した。ランチタイムを活用した『絶メシ食堂』がその一例だ。「絶メシ」とは、全国で愛されつつも、様々な理由から存続が危ぶまれている飲食店のメニューのこと。『絶メシ食堂』では、店主から直接伝授してもらった全国の「絶メシ」のレシピをもとに、メニューを提供している。一食の売上につき5%をお店に還元するというもので、地域の枠を超えた画期的な取り組みとなった。

店内やトイレには、遊び心を加えた格言が貼ってあるのも個性のひとつ

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今あえての課題は、先を見据えた人材育成

2020年1月、ミナデインは『烏森百薬』から目と鼻の先に『新橋二丁目九番地 らんたん』を出店。『烏森百薬』に入りきらないお客の受け皿という意味合いもあるが、こちらはコンセプト自体をガラリと変え、「名物女将が自ら仕入れる、こだわりの食材を使った家庭料理の店」とした。今後も、新橋を中心に地方都市も視野に入れ、マルチコンセプトでの展開を目指していくという。

「今あえて課題があるとすれば、先を見据えた人材育成ですね。現在は『烏森百薬』だけで社員が10人いるのでレベルの高いサービスを維持できていますが、今後、店舗が増えてきた際に、新人スタッフをいかに早く今のレベルにもっていくかが重要になってくると思います」

今回取材にうかがって感じたのは、お店にいるスタッフの誰もが明るく気さくで、楽しそうに働いているということ。『烏森百薬』のサービスの真骨頂は、こうした一人ひとりのモチベーションの高さにあるのだろう。今後の展開も楽しみだ。

『烏森百薬』は、新橋界隈のワーカーを中心に、20代後半から60代の男女を集客。冬場は店頭にこたつ席を設置することで滞在時間が長くなり、客単価の押し上げにも繋がるという

『烏森百薬』
住所/東京都港区新橋2-15-5
電話番号/050-3698-0100
営業時間/月15:00~23:00(L.O.22:00)、火〜土11:30~23:00(L.O.22:00) 
定休日/日曜・祝日
席数/45

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笹木理恵

ライター: 笹木理恵

飲食業界専門誌の編集を経て独立。スイーツ・パンからフレンチ、ラーメンなどまで、食のあらゆるジャンルを担当。飲食専門誌を中心に、一般雑誌やWEB、書籍などで活動している。「All About」「Yahoo!ニュース個人」でも執筆中。 https://foodwriter-rie.com/