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南阿佐ヶ谷『つきのや』大箱移転から約3年で坪月商15%アップ! 「継続こそ一番の近道」

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幅広い層に人気の「自家製ハンバーグ」(600円)。自慢のデミグラスソースは完全自家製。「味は二の次」といいながらも、もちろん手を抜くことはない

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【注目記事】地元客に愛され坪月商58万円を達成。西荻窪『サイコロ』が貫く“楽しむ”姿勢

食材は臨機応変に活用。食品ロスを抑え、原価率も30%に

メニューは常時約70~80種。魚系が半分、肉と野菜で25%ずつというバランスだったが、最近は魚の値段が上がってきているので、肉と野菜のバランスを増やすなどして調整している。だからメニューの入れ替えもスピーディだ。壁に貼られた短冊のメニューは営業中に貼り替えられることも珍しくないという。

「『豚肉と青菜炒め』というメニューがあるのですが、注文が入らないようであれば、青菜はおひたしにして提供する。単品でもほかの食材と合わせても対応できる食材が多いので、別のメニューに変更しやすいんです。おかげさまでフードロスはほとんどありませんし、原価率も平均して30%前後に抑えることができています」(森本氏)

凝った料理こそ少ないが、安心して注文できる大衆居酒屋らしいメニューが豊富な理由には、そんな背景があった。

4倍の広さになってさらに、坪月商15%増を達成できた理由

具体的な数字は未公表だが、10坪だった時代に比べると、緩やかではあるが坪月商を15%程度上げることに成功しているという。まさに「普通にやっていれば、広さに見合っただけのお客様が来てくれる」を体現している。飲食店経営の矜持について、「前のオーナーに教えられた」と話す森本氏だが、それらを具現化したのは、森本氏をはじめとする『つきのや』のスタッフたち。もはや「つきのや流」に昇華されているといっていい。

「大切なのは、『つきのや』というお店の存在を多くの人に知ってもらうこと。そのためには基本的なスタンスを変えずに、地道に続けていくことが、一番の近道のような気がします」(森本氏)

最後にあらためて、お客に愛される店舗づくりについて聞いてみた。

「謙遜ではなく、自分でもわからないというのが正直なところです。当たり前のことをやっていれば、お客様はウチのお店を選んでくれるようになる。大事なのは根気よく認知度を上げていくこと。そのためには接客、メニュー、システムが、わかりやすくシンプルであることも大切な要素だと、私は考えています。そしてやっぱり、どんな商売でも最後は対人間であるということ。どんな相手にもリスペクトを忘れないことです。また来たいと思ってもらえるようなお店づくりができるように、これからも頑張っていきたいです」(森本氏)

取材を終えた後、何組かの常連客に、『つきのや』の魅力について話を聞くことができた。「料理が美味しい」「安い」など、様々な意見があったが、圧倒的に多かったのは「明るい雰囲気」「スタッフが親切」といった感想だ。なかでも「いつ来ても歓迎されていると感じる」という言葉はいい得て妙だった。

「一度訪れたら、また来たくなる」。その気持ちがわかった気がする。

入口にかかる赤ちょうちん。昭和世代にはたまらないノスタルジックな雰囲気

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『つきのや』
住所/東京都杉並区阿佐谷南1-14-12
電話番号/03-5378-8007
営業時間/火~日15:30~23:00(L.O.22:30)
定休日/月
席数/57(テーブル50席・カウンター7席)

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『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

ライター: 『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

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