日本酒×イタリアンで坪月商40万円。門前仲町『酒とビストロ KARASU』の戦略
日本酒×イタリアンをコンセプトに、日本酒の新しい楽しみ方を提案して人気を博している門前仲町の『酒とビストロ KARASU』。運営する株式会社マルサラの代表取締役・赤井健太郎氏は、バーテンダー時代に培った接客力と、日本酒専門店で得た知識を武器に、江東区や台東区など東京の下町で業態の異なる3店舗を展開している。
『酒とビストロ KARASU』は、9坪で月商360万円を売る繁盛店で、近年は日本ワインやクラフトビールを含む和酒の新しい体験を提供している。日本酒×イタリアンで日本酒の新しい未来を切り開いている赤井氏に、店づくりについて取材した。
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バーテンダーとして7年半、さらに日本酒専門店でも「酒を売る」技術を学ぶ
赤井氏は、1989年に東京都で生まれた。学生時代の飲食店でのアルバイトと、漫画『バーテンダー」にハマったことをきっかけに、お酒を扱う仕事に憧れて20歳でバーテンダーとしてのキャリアをスタート。株式会社Dinner Rushが展開する『アボットチョイス』と、三軒茶屋『BAR POND』にて約7年半経験を積んだ。
その後、日本酒の勉強をしたいと考え『和酒バル KIRAZ』(東京・目黒)と『赤鬼』(東京・三軒茶屋)をかけもちして働き、1年3か月後の2018年4月、東京・門前仲町に『酒とビストロ KARASU』を開業。2019年12月、立ち飲み店『KARASU no SU』を清澄白河にオープン(店長の独立開業に伴い、2023年4月閉店)。2021年2月には、酒場レストラン 『KARASU no ONGAESHI』を蔵前に、2022年10月にはジェラート専門店 『Gelateria KARASU』を南砂町にオープンしている。
食事と一緒になって魅力が倍増する「日本酒」の奥深さにのめり込む
なぜ日本酒を業態の核にしたのか。
「この業界に入って最初にハマったのはウイスキーでしたが、価格も高いしマーケットも狭いので、自分が独立したときにウイスキーを扱っているイメージがわかなくて。日本酒へのアプローチが異なる2店舗で働かせてもらったことで、日本酒と料理の表現がグッと広がるのを感じました」
特に『和酒バル KIRAZ』では、日本酒とスペイン料理の組合せの妙や、温度帯によっても相性が変わるペアリングの奥深さを学んだという。
