飲食店の約8割が春の「卒業・進学シーズン」でアルバイト不足を実感
飲食店を運営していく上で、アルバイトスタッフは重要な存在だ。数字の管理以外は社員と変わらない仕事内容を任せている飲食店も少なくないだろう。そのため、アルバイトスタッフの入れ替わりが激しくなる、春の卒業・進学シーズンは、店舗運営が円滑にできなくなってしまうことも珍しくない。
飲食店DXを推進する株式会社DFA Roboticsが実施した、卒業・進学シーズンの飲食店運営に関するアンケート調査によると、8割以上の飲食店事業者がアルバイト不足を実感している。
飲食店の店長 / 店舗責任者の85.2%が「アルバイトスタッフの人手不足」を危惧
アンケートでは「店舗運営において『春の卒業・進学シーズン』によるアルバイトスタッフの人手不足を危惧することがあるか?」という質問に対し、「とてもある」は47.2%、「ややある」が38.0%で、人手不足を危惧する店舗は8割を超える結果となった。学生アルバイトが、多くの店舗において戦力になっていることがうかがえる。
画像を見る「現在、卒業・進学のシーズンに合わせて、アルバイトスタッフの採用活動に力を入れていますか?」の質問に対しては、「とても力を入れている」が36.1%、「やや力をいれている」が38.9%となり、8割近くが採用活動に積極的に取り組んでいることがわかった。
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採用費30万円以上が32.2%。応募が少なく採用に苦労する飲食店も
さらに、上記質問で「わからない/答えられない」と回答した以外の方に「卒業・進学のシーズンに向けて、合計どの程度の採用費をかけているか/採用費をかける予定か?」と尋ねると、上位は30万円以上(32.0%)、10万円未満(22.3%)だった。「100万円以上」という回答は7.8%あった。
画像を見る続いて、「卒業・進学のシーズンに向けて、通常時と比較してどの程度の採用費をかけているか/採用費をかける予定か?」と、「採用費はかけていない」以外を回答した方へ質問すると、「普段よりも採用費をかける(101%以上)」が42.0%で一番多かった。この時期に人材不足の穴を埋めようと、採用を積極的に進めている店舗は多いようだ。
画像を見る「アルバイトスタッフの採用活動に関して、課題を感じることはあるか?」に対する回答と自由回答からは、「応募が来ない・少ない」「採用してもすぐに辞めてしまう」「他業種の方が、時給が良い場合が多くエリア的に採用が困難な店舗がある」といった課題が見えてきた。
画像を見るアンケートの結果からは、卒業・進学のシーズンの人材不足と、関連する問題が明らかになった。時季の影響を最小限に抑えるには、採用する人材の幅を広げることや、業務の見直しと効率化を進めることなどが求められそうだ。