『池尻 居髪店』の“目的客”を狙った業態アレンジ。「居国籍料理」で新エリア開拓に成功
「居国籍料理」という新しい料理ジャンルを打ち出している東京・池尻大橋の注目店が『池尻 居髪店』だ。100業態100店を目指し、ユニークなコンセプトの居酒屋を輩出し続けている株式会社渋谷の歩き方が手がける池尻大橋の初進出店だが、出店エリアの拡大における試金石にも位置づけられた店でもある。居国籍料理とはなにか。その狙いと業態づくりのポイントを店長の浅野修蔵氏にうかがった。
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居酒屋の自由度と目的客をとり込める専門性の両立が課題
おしゃれな内装やフルーツサワーがSNSで話題のネオ大衆酒場『大衆酒場 ひまわり』、レトロな雰囲気で立ち飲みスペースもあるやきとん・串焼きの店『恋文酒場 かっぱ恋文横丁』、古民家風の落ち着きある空間で創作和食と日本酒を提供する『酒怪タマゴショクブツ くんなまし』……。
ユニークなコンセプトの居酒屋26店を東京・渋谷にドミナント展開している株式会社渋谷の歩き方。同社は恵比寿、池尻大橋、代々木上原と渋谷に隣接するエリアにも出店を進めて店舗網を拡げているが、そのうちの1店が2022年6月にオープンした池尻大橋の『池尻 居髪店』だ。
店長の浅野修蔵氏は「『池尻 居髪店』の出店は当社にとって初チャレンジの要素が多かった」と語る。池尻大橋エリアの1店目ということもそうだが、大きいのがそのエリア特性が渋谷からがらりと変わる点である。「商圏人口が圧倒的に多い渋谷では、幅広い客層や利用動機に対応した間口の広いコンセプトが強みを発揮します。一方、池尻大橋ではフリー客の絶対数が少ないですから、目的客も取り込めるように専門性の高い業態に仕上げる必要がありました」と言い、さらにこう続ける。
「当社はさまざまな業態を手がけていますが、すべての店に共通しているのが居酒屋であるということです。居酒屋は自由度が高く、お客様を感動させるための創造性の余地が大きい業態。“人と人とのつながりの場”を居酒屋の価値として捉え、その機能を最大限に活かすことを業態開発の基本方針にしていたこともあり、これまでに専門性の高い居酒屋をあまり手がけてきませんでした。ただ、それだと目的客を取り込むのが難しいことから、居酒屋の自由度を残しながら、目的利用も掴める専門性をどう両立させるかが、『池尻 居髪店』の開発における大きな課題でしたね」
