『池尻 居髪店』の“目的客”を狙った業態アレンジ。「居国籍料理」で新エリア開拓に成功
さまざまな料理ジャンルのエッセンスを融合した「居国籍料理」
フード、ドリンクのテーマに据えたのが「居国籍」だ。前述したようにスパイス料理をフードの主軸にしながら、和洋中、エスニックの幅広い料理ジャンルのエッセンスを融合。「それを居酒屋料理に仕上げることで、異国籍ならぬ、居国籍料理に落とし込みました」と浅野氏は説明する。
実際にフードラインアップは幅広い。オープン時からの名物メニューである「牛モツと魚介だしの四川煮込み」(968円)やインパクトある仕上がりの「黒い麻婆豆腐」(968円)などの4大名物を筆頭に刺、鮮、炒、揚など12カテゴリーで計75品を用意。「よだれラッシー水餃子」(858円)、「海老とムール貝の花山椒アラビアータ」(1,078円)など創意工夫に富んだ料理がメニューにずらりと並んでいる。
「居国籍料理とはなにか、ということにはだいぶ悩みました。さまざまな料理ジャンルのエッセンスを取り入れるとはいっても、“ノンジャンル”というわけではありませんからね。どうアレンジすると『池尻 居髪店』らしいのか、ようやくそのイメージが摑めてきたところです」(浅野氏)
目指すは100業態100店。その過程で『池尻 居髪店』のノウハウを活かせる
ドリンクでも「居国籍」が貫かれている。ドリンクは12カテゴリー計75種をラインアップし、15種を揃えるビールはタイの「シンハー」(880円)、シンガポールの「タイガー」(990円)、メキシコの「テカテ」(880円)など世界各国の銘柄を用意。世田谷蒸溜所に製造委託をしているオリジナルの薬膳酒5種やクラフトジン4種を揃え、「自家製ラムのチャイ割り」(770円)など漬け込み焼酎、ラムなどを用いたサワーもメニューに揃えている。
「フード、ドリンクのメニュー構成で意識したのが“選ぶ楽しさ”です。幅広いジャンルのフード、ドリンクを網羅し、しかもメニューそれぞれのオリジナル性を高めることによって商品選びだけでその場が盛りあがるようにしました」(浅野氏)
『池尻 居髪店』は池尻大橋駅からのアクセスはいいものの、エントランスがビル1階のやや奥まった位置にあり、視認性が悪い。そのため、オープン時は集客に苦戦したが、店の認知度アップに従って売上も向上している。
客単価は4,200円。18坪35席の規模で売上は月商350万円に到達。「苦労した分、『池尻 居髪店』で得たものは多かったですね。当社は中長期の目標に『100業態100店』の達成を掲げています。それを成し遂げるにはもっと展開エリアを広げていく必要がありますが、新しいエリアに進出する際、『池尻 居髪店』で得たノウハウが必ず活きてくると思います」。浅野氏はそう力強く語っていた。
『池尻 居髪店』
住所/東京都世田谷区池尻3-2-5 コンフィアンス流来1FB号室
電話番号/03-6450-7510
営業時間/17:00〜23:30
定休日/不定休
席数/35
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