坪月商75万円超え! 赤坂『大衆サカバ 牡蠣る。』が「食べ飲み放題」に注力する意外な理由とは?
コストパフォーマンスに優れ、競合が少ない「牡蠣」に注目
現在、5店舗の居酒屋を展開するまでに会社を成長させた藤田氏。赤坂でドミナント出店を行う理由を尋ねると「人材も食材も行き来できるから」という答えが返ってきた。
「食材や調味料が不足した際に調達し合ったり、人が足りなければピーク時だけ手伝ったりすることもできる。これは至近距離ならではの強みです」
もともと牡蠣をメインにした店を出店したいという思いがあり、赤坂には競合店が少ないことも決め手になったという。
ではなぜ、メイン食材を「牡蠣」に決めたのだろうか。
「もともと僕が好きだということもありますが、牡蠣は原価に対して売値を高く設定しやすい食材。だからといって、決して安物を高い値段で提供しているわけではなく、専門業者と信頼関係を築くことで品質の高い牡蠣を安く仕入れることができています」

生牡蠣&牡蠣料理20種類食べ放題」コース(30分1,980円)のメニュー(同店食べログより)
『大衆サカバ 牡蠣る。』では単品メニューも用意しているが、訪れる人のほとんどが注文するのは「生牡蠣&牡蠣料理20種類食べ放題」コース。生牡蠣一種に、前菜・焼き・揚げ・〆と多彩な牡蠣料理が食べ放題になるプランで、30分ごとに1,980円(前日までに予約した場合)が加算される仕組みだ。
「食べ放題プランには牡蠣しか含まれないため、途中で違うものも食べたくなって単品メニューを追加するケースが多い。これによって自然と客単価が上がり、原価率が抑えられるんです」と藤田氏。また、同プランでは生牡蠣を一種に限定しているため、他の産地のものを食べてみたいと追加するケースもある。
ドリンクの主軸は「蛇口焼酎」の飲み放題。こちらは初めの15分が99円、以後15分ごとに149円が加算される仕組みで、メガジョッキに自分で注いだり、50種類の割ものから自由に選べたりといった“ワクワク感”を誘う仕掛けがウケている。
「蛇口焼酎+自分で選んだ割りもので自由にお酒を楽しんでもらうことで、スタッフはキッチンに専念できます。キッチンはあえて大人二人がギリギリ動ける程度の広さに設定し、無駄なく動けるよう、オペレーションをマニュアル化しました」
すでに事業を軌道に乗せている一方で、藤田氏は「40歳を迎えたのを機に、働き方を変えていきたい」とも話す。今後は、スタッフを育成し、独立のチャンスを増やすことを目的に、赤坂以外のエリアでの出店を検討しているという。
「これまでに3人の店長経験者が独立していきました。僕がスタッフによく話すのは『今なら失敗しても給与が減るわけではないし、責任も取らずに済む。今の内にやりたいことはどんどん挑戦して、失敗もたくさん経験した方がいい』ということ。そもそも社名の『asoviva』には、いい店を作るために真剣に遊ぶ“遊び場”の意味があります。当社で思いっきり遊んで、独立して、また新しいスタッフが育っていって……“藤田チルドレン”が増えていったら嬉しいですね」と笑顔を見せた。
『大衆サカバ 牡蠣る。』
住所/東京都港区赤坂3-21-8 高和赤坂ビルB1F
電話番号/03-4400-8240
営業時間/15:00〜L.O.22:30(土日祝14:00〜L.O.21:30)
店休日/月曜
坪・席数/13坪・30席(カウンター8、テーブル22)
https://www.instagram.com/kakiru_akasaka/
