10年で売上2倍の代々木上原『SARU』。魚介×ワインで坪月商60万円越え
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平均注文数は3杯。少人数来店を意識しグラスワインを常時30種類用意
グラスワインの種類の多さも『SARU』の特色の一つだろう。創業当時から20種類はあったというが、現在は常時30種類以上のグラスワインを揃える。フランスやイタリアだけでなくジョージアなど東欧産も多い。
これについて猿田氏は「お店が10坪と狭いので、やはり2名利用のお客さまが多いんです。そのためボトルのオーダーは少ないので、グラスワインの種類を増やしました。最近はコルクを抜かずに注げる上、ワインの長期保存を可能にしたワインキーパーのコラヴァンなどの活用により、グラスワインの提供もしやすくなったので以前より数を増やしています」と明かす。
グラスワインの種類が多いことから「次はどんなワインを飲まれますか?」とスタッフもお客の注文を促しやすく、実際にワインのオーダー率は一人平均3杯以上と高水準だ。「食事に合わせてワインをお願いします」とペアリングを注文するお客も少なくないという。
コンセプトを発展させ、一定のクリエイティビティを維持し繁盛店に
このワインの充実ぶりが評判を呼び、ここ5年で「シーフード(魚介)」「ワイン」というキーワードでの知名度を上げた『SARU』。広告費などをかけていないというがGoogleでの検索も上位となり、代々木上原エリアだけでなく、新宿から新百合ヶ丘あたりまでの小田急線沿線からの新規目的来店も増えたそうだ。現在はリピーター客2~3割、新規客7~8割で「一番お店としても安定する比率ですね」と猿田氏は話す。
客層は、平日ランチタイムは近所に住むマダムやビジネスパーソンが中心で、ディナーは渋谷や新宿が近いこともあり若年層から年配まで幅広い。週末のディナーは2回転できるよう、予約枠の調整も行った。ネット予約については公式HPやGoogle Mapからebicaへ誘導しているほか、InstagramのDMでも受け付けている。
今や感度の高い人々が集う飲食の街として知られるようになった代々木上原。この町で10年以上お店を続けられた理由を、猿田氏自身はどう考えているのだろうか。
「一定のレベルのクリエイティビティを維持して、最初に掲げた『魚介』と『ワイン』というコンセプトを発展させたことでしょうか。もう一つはお客さまとの適切な距離感を保っていること。『SARU』グループでは毎年おせちの予約販売を行っているのですが、代々木上原のお店が、一番予約数が多いんですよ。それくらいお客さまと良い関係が築けているのだと思います」(猿田氏)
初心を忘れず、日々努力を積み重ね、試行錯誤を繰り返す。お店の経営としては当たり前かもしれないが、10年以上続けるのは簡単ではない。それを続けてきたからこそ『SARU』の今の繁盛があるのだろう。
『Fresh Seafood Bistro SARU』
住所/東京都渋谷区元代々木10-8 1F
電話番号/050-5266-0491
営業時間/平日12:00~14:30(最終入店13:30)、17:00~23:00(最終入店21:30)※土日祝ランチは11:30〜15:00(最終入店14:00)、日・祝ディナー17:00~22:00(最終入店20:30)
定休日/不定休
坪・席数/10坪・20席(うちテラス4席)
https://saru-yoyogiuehara.jp/
