「居酒屋以上、割烹未満」の進化形。売上&利益のWアップを狙う『三軒茶屋 虎徹』の秘策とは
フード原価率は48%。アルコール売上を伸ばして収益性を高める
ドリンクメニューは「ビール」「ハイボール」「茶割り」など8カテゴリーでおよそ70種をラインアップ。『神泉たつ』時代と同じように日本酒やワイン、焼酎などはパートナーの長谷川拓也氏がチョイスしているが、「三軒茶屋はなぜかお茶割りが異様に売れる」と笑う。
お茶割りは5種を揃え、売れ筋は「濃~いほうじ茶割り」(580円)、「香ばして抹茶割り」(580円)。また、『神泉たつ』では日本酒の出数が多かったが、『三軒茶屋 虎徹』では焼酎の注文率が高いことから、現在は芋9銘柄、麦5銘柄、米2銘柄の計11銘柄を常備している。
目下のところ、客単価は6,000円。リニューアルによって客単価とともに大きく変化したのがアルコール売上比率だ。アルコール売上比率は『神泉たつ』の25%に対し、『三軒茶屋 虎徹』では60%に達しており、この点は収益性の向上につながっている。
フード原価率は『神泉たつ』が50%、『三軒茶屋 虎徹』が48%。原価をたっぷりと投じて商品力を高めながら、アルコール売上を伸ばすことにより、トータル原価率は『神泉たつ』の36%から『三軒茶屋 虎徹』では33%に抑えている。
キッチンスタッフの育成に注力。無休営業に切り替えて売上アップを図る
店舗規模は13坪20席。想定月商は450万円に設定しており、オープン3か月目にして月商は360万円に達している。「『神泉たつ』で常連だったお客さまが足を運んでくれたため、オープン時から順調に客数が伸びている」と三木氏は語る。
一方で居抜き物件ゆえの課題といえるのが、レイアウトやカウンターの席数を変えづらいことだ。『神泉たつ』は全席がカウンターだったが、焼き鳥店の居抜き物件に出店した『三軒茶屋 虎徹』の客席構成はテーブル4卓16席に対し、カウンターが4席と少ない。三木氏と長谷川氏はいずれもカウンター接客が得意であり、常連客にとってカウンター越しのコミュニケーションも大きな来店動機のひとつなのだ
「カウンター席の半分を常連客用に確保していますが、座りきれずにスタンディングで利用していただくこともあります。改装してカウンター席を増やせるといいのですが、中途半端に資金を投じるのも非効率ですから、どうすべきかを検討しているところです」(三木氏)
一方、目標月商を達成するために検討しているのが無休営業だ。
『神泉たつ』は三木氏の調理技術ありきで成立するフードメニューだったため、定休日を設けざるを得なかったが、『三軒茶屋 虎徹』では「仕込み8割、仕上げ2割」でレシピを考案しており、調理の難易度も比較的高くない。今後はキッチンスタッフを育成し、無休営業に移行して売上アップを図る意向だ。
『三軒茶屋 虎徹』
住所/東京都世田谷区三軒茶屋1-41-14 猪野ビル1F
電話番号/03-6450-8777
営業時間/18:00~24:00(フードL.O.23:00、ドリンクL.O.23:30)
定休日/水曜
席数/20
https://www.instagram.com/sangenjyaya_kotetu/
