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若者が集う下北沢で“オトナ居酒屋”。『D-DRAGON』が狙う「セレカジ」ニーズとは?

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ドリンクは「葡萄酒-wine-天然由来」や「Fruit果実Liquor」など、700円をプライスポイントとして7カテゴリ計30種をラインアップ

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シンプルでも上質感を追求した内装デザイン

ドリンクも若年層のセレカジニーズに応えるメニューを揃えた。

サイズ違いを除いて7カテゴリ計30種と品揃えを絞り込む一方、オーガニックワインを白、赤各3種、クラフトビール4種を揃え、クラフトビールについては自社オリジナルの「コドマCRAFT3」(1,300円)を用意。オーガニックワインと日本酒についてはお客の要望に合わせたペアリングサービスも用意している。

写真の左から3番目はオリジナルクラフトビールの「コドマ CRAFT3」(1,300円)。グラス650円~で提供するオーガニックワインの他、希少性の高い果実酒を700円の一律価格で7種用意している

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セレカジという宮本氏の考えは内装デザインにもよく表れている。

『下北沢 D-DRAGON』は下北沢駅東口からアクセスのよい外食店ビル3階に入居しており、店舗規模は20坪27席。フロア中央に最大10人が利用できる個室を設置し、個室の扉に豪快な昇り龍の絵を描いているが、その他の店内装飾はかなりシンプルだ。

「スタイリッシュであることはもちろん、より重視したのが上質感でした。若者がターゲットというとネオンサインを飾ったネオ大衆酒場をイメージしますが、流行のスタイルは長続きしないというのが持論。装飾を極力廃した土壁、シンプルなデザインのソファや椅子を用いながら、配色や質感などを吟味し、10年経っても廃れない店を目指しました」

店舗規模は20坪27席。カウンター6席、テーブル4卓の他、最大10人収容できる個室1室を用意している

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セレカジが従業員の給与水準を引き上げる

『D-DRAGON』に限らず、同社はセレカジを今後の事業開発における大方針に位置づけており、「これは従業員の確保とモチベーションアップにもつながる」と宮本氏は説明する。

「外食業界の人手不足が深刻化する中、セレカジを追求した上質なレストランはそこで勤務することが働きがいになりますし、プロフェッショナルの意識も高まります。いわゆる居酒屋より客単価をアップできることも大事なポイント。粗利益を上げることにより、それをスタッフの給与に再配分できるわけです」

同社は2025年4月に新卒採用をスタートしており、現時点における社員数は32人。社員の給与を一般企業と同水準に引き上げることを目指しているが、「そのためにも薄利多売ではなく、しっかりとした客単価を確保できるセレカジ業態を展開することが欠かせません」と宮本氏は言う。

『D-DRAGON』の目標月商は600万円。オープンから間もないが、「30代を中心とした想定通りの客層を掴んでいて、手応えは十分」と胸を張る宮本氏。2025年9月に1店を出店して10店体制を構築する計画であり、さらに「5年間で30店まで店数を伸ばしたい」と意気込みを語る。

『D-DRAGON』
住所/東京都世田谷区北沢2-9-2 THE CITY 下北沢3F
電話番号/050-1726-3316
営業時間/15:00~23:00
定休日/月曜
坪・席数/20坪・27席
https://www.instagram.com/shimokita.d.dragon/

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栗田利之

ライター: 栗田利之

フリーランスの記者として、15年以上にわたって外食経営誌の記事を執筆。大手、中堅の外食企業や話題の繁盛店などを取材してきた。埼玉県下を中心に店舗網を拡げている「ぎょうざの満洲」が贔屓の外食チェーン。