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2017年の飲食業界をふり返る。「働き方改革」や「生産性向上」を合言葉に変革の時代へ

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Photo by iStock.com/gpointstudio

2017年も残りわずか。今年、最後の記事ということで、今回は2017年の飲食業界を振り返ってみたい。

飲食業界を賑わせた“お騒がせ”ニュース

まずは飲食業界を賑わせたニュースから。今年はグルメイベントの詐欺問題や有名レビュアーの不正問題など数々の“お騒がせ”ニュースが飲食業界を賑わせた。なかでも大きな話題となったのが「ドタキャン客問題」だ。この忘年会シーズンにも「居酒屋で学生団体客130人がドタキャン」といったニュースが報じられるなど、もはや社会問題のひとつになったと言っても過言ではない。

予約客に対する事前確認の徹底、デポジット機能を備えた予約台帳システムの利用など、この問題を防ぐ手立てはいくつかある。今年はドタキャン客の電話番号をブラックリスト化したサービスなんてものまで登場したが、こうした予防策を講じれば、ある程度はドタキャンを減らすことができるだろう。しかし、約束を守っていただくという当たり前のことに対して、ここまで対策を練らなくてはならないのか、店側にとってはなんとも嘆かわしい問題である。

そして一年を通じて報じられてきたのが「飲食店の禁煙化問題」。当初は「店内は全面禁煙(喫煙室設置は可)」として進められていた厚労省案も、自民党の反発により二転三転。結局、「150平方メートル以下の店舗は喫煙可」とする新案で話を進めようとしている。このドタバタ劇を横目に、ファミレス大手の『デニーズ』や『サイゼリヤ』が全店舗を原則禁煙とする方針を決定。訪れる客だけでなく、働く従業員のことも考えてとのことらしいが、法案成立を待たずに独自に答えを出す飲食店は今後も増えていきそうだ。

法律関係の話でいえば、「酒税法改正」も今年の飲食業界に大きな影響を与えた。これは小規模な酒店を守るために、大型酒店への酒の安売りを規制するというもの。今年6月に施行された法律だが、酒店はもとより、酒店の卸し先である飲食店にも値上げの波が押し寄せた。弊社が10月に行ったアンケート調査によると、80.5%の飲食店が酒の仕入れ価格の上昇を実感しており、24.3%が値上げに踏み切っている。あの『鳥貴族』も「280円均一」から「298円均一」へと値上げするなど、「酒税法改正」が与えた影響はかなり大きなものだった。

『素揚げや』の「最強レモンサワー」

2018年のグルメトレンドは?

今年もさまざまな食のトレンドが生まれ飲食業界を賑わせた。流行語大賞に「インスタ映え」が選ばれるなど、SNSウケするメニューが隆盛を誇った一方で、店の個性を際立たせるために「強いメニュー」を打ち出す飲食店も目立った。

たとえば今年テレビでも取り上げられ、一気に予約の取れない店になった『素揚げや』。集客力抜群の鳥手羽の素揚げ、そしてレモンサワーが人気の店だ。もともと今年は唐揚げやレモンサワーといった居酒屋メニューに再び注目が集まったという追い風もあったが、『素揚げや』は独自のこだわりを追求することでブームの波をより大きくする立役者となった。

手羽ひとつとっても、素材には鳥取の大山どりを用い、しかも肉は冷蔵庫で熟成するというこだわりよう。揚げる際も低温と高温で二度揚げすることで、外はパリッと中はジューシーに仕上げている。またレモンサワーも「冷凍レモンサワー」という新たなジャンルを模索。広島県の瀬戸田レモンを凍らせて、それを氷代わりに用いる奇抜なアイデアを採用し、「元祖冷凍レモンサワー」の店としてメディアからも引っ張りだこだった。

店主の宮崎明氏は『Foodist Media』の取材に対して「今までやったことないサワーはないかな、と考えたのがきっかけです。ビールだと何か細工をするとなると、それはカクテルになります。それはないな、と。やっぱり揚げ物にはレモンが『鉄板』なので、レモンサワーだと」とコメント。宮崎氏のように既存のメニューに自分らしさを加えて新たな価値を生み出す手法は、今後の飲食業界のスタンダードとなっていきそうだ。

Photo by iStock.com/gpointstudio

「働き方改革」が積極的に行われた一年

2017年もやはり「人手不足」に泣かされた一年だった。この問題は飲食店に限ったものではないが、すっかり定着してしまった「飲食業界=ブラック」というイメージが、大きな足かせになっていることは間違いない。

今年はこうしたイメージを払拭するため、そして採用活動の成功、離職率低下に繋げるために、色んな店舗で「働き方改革」がスタート。給与の引き上げ、柔軟性のあるシフトの導入、営業時間の短縮など、手法はさまざまだが、従業員の満足度を高める動きが本格化している。

大手チェーン店では『ロイヤルホスト』が24時間営業を廃止、『ドトールコーヒー』は非正規雇用者にも退職金制度を導入、また『すかいらーくグループ』も短い勤務時間でも正社員として働ける変形労働時間制度を採用。弊社が12月に行ったアンケート調査によると、66.3%の飲食店が「1年以内に従業員の待遇改善を行った」と回答しており、今後もこうした動きが加速することが予想される。

今後は「生産性向上」が大きなキーワードに

人手不足問題、そして原価の上昇は飲食業界の深刻な問題であり、来年以降も続くことが予想される。そうなると意識しなければならないのが「生産性の向上」だ。少ない人数でも運営していける、そして原価が上昇しても利益を生み出せる仕組みが飲食業には求められている。

そのひとつの解決策として、テクノロジーの力を用いることが挙げられるが、今年は多くの飲食企業で新しい取り組みが始められた。『すかいらーくグループ』がセルフレジを試験導入したり、ロイヤルホールディングスも完全キャッシュレスの店舗をオープンしたりと意欲的に取り組んでいることがうかがえる。

また生産性の向上を、「今までの人数でさらに売上を伸ばすこと」と捉え、店内営業だけでなく、テイクアウトやデリバリーといった分野に進出し販路を広げている飲食店も多く見られた。その場合もやはり、新しくスタートした「LINEデリマ」や「UberEATS」といったサービスを用いていることが多く、このことからもテクノロジーの力が飲食店の可能性を広げていることがわかる。

このように日々の業務の省力化、そして売上拡大を狙えば「生産性向上」は叶うが、例えば業務を省力化するにしても、その手法は自店舗に則したものでないと意味がない。自分の店の魅力がどこにあるのか、そこをしっかりと見極めないと、大切な部分を省力化してしまっては魅力を損ねる結果を招いてしまう。では、生産性の向上に取り組む際、何が大切なのか? それは「自分の店の価値を知ること」だ。

Photo by iStock.com/gpointstudio

2018年は「自分の店の価値を見つめ直すこと」からスタート

先日、『Foodist Media』に掲載した記事「竹田クニ氏が2018年の外食トレンドを探る」で、ホットペッパーグルメ外食総研の竹田クニ氏はこのように語っていた。

「飲食店は、自分の店がどういう付加価値で選ばれているのか、選ばれたいのかを今一度、消費者の立場で問う必要があると私は思います。2018年の戦い方は、まず、自分の店の付加価値をあらためて見つめることからスタートしてはいかがでしょうか」

今後も「人材不足」や「食材高騰」が続くことを考えると、「働き方改革」や「生産性向上」は引き続き重要なテーマとなるだろう。その場合、まずは自分の店の価値がどこにあるのか、そこを突き詰める必要がある。そうすれば時代の流れにもブレずに対応ができるはずだ。2018年のスタートは竹田氏の言葉通り、自分の店の付加価値をあらためて見つめることから始めてみてはいかがだろうか。

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『Foodist Media』編集部

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