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「ミシュランガイド東京2019」発表。三つ星は13軒に増加、おにぎり店の掲載も話題に

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三つ星新規掲載店の『ロオジエ』オリヴィエ・シェニョン氏

二つ星の新規掲載は3軒、一つ星は29軒、ビブグルマンは44軒

二つ星、一つ星、ビブグルマンも新規掲載や評価が上がった飲食店が多く発表された。二つ星では、『木挽町 とも樹』が新たに掲載され、『ナベノ-イズム』『青空』が一つ星から評価を上げている。『ナベノ-イズム』は、今回三つ星の評価を受けた『ジョエル・ロブション』の元シェフ・渡辺雄一郎氏が率いるフレンチの注目株だ。オープンした2016年、さらに2017年と二年連続で一つ星を獲得し、今年は二つ星に昇格。驚異的な勢いを見せている。

一つ星の新規掲載は28軒、ビブグルマンの新規掲載は44軒となった。どの店も注目店ばかりだが、なかでも一つ星として掲載された『アルゴリズム』は、『カンテサンス』の卒業生である深谷博輝シェフが牽引する店として注目を集めている。店名の通り深谷氏が自らの「アルゴリズム(方程式)」を駆使して展開する料理やペアリングが高い評価を受け、2017年にオープンしたばかりにもかかわらず、早くも星付きのレストランとなった。

さらに以前、「Foodist Media」でも取り上げたフレンチレストラン『Takumi』も一つ星の評価店となった。同店のオーナーシェフである大槻卓伺氏は昨年4月に取材の際、「2年以内に一つ星、そこから5年以内に二つ星を狙いたいですね」と語っており、見事結果を残し、二つ星の夢に一歩近づいたといえる。

一つ星、二つ星の評価を受けたシェフたち

「おにぎり」カテゴリーが登場。広がる「和食」の多様性

『ミシュランガイド東京2019』で注目しておきたいのは、その掲載軒数の多さだけではない。話題の一つをさらっているのが、新カテゴリーの登場だ。今回の掲載店舗では「おにぎり」の料理カテゴリーが登場し、ビブグルマンとして『おにぎり浅草 宿六』が評価された。また、『琉球チャイニーズダイニング Tama』が東京では初の料理カテゴリー「沖縄料理」としてビブグルマンに登場。日本特有の料理ジャンルが増え、誌面をより充実させる結果となった。

さらに、「ラーメン」の料理カテゴリーでは『Sobahouse 金色不如帰』が一つ星として評価され、『Japanese Soba Noodles 蔦』、『創作麺工房 鳴龍』とともに3軒が星付きラーメン店として紹介されている。寿司や懐石料理、天ぷらといった高級店で扱われる料理だけでなく、低価格帯の身近な和食も多く評価されているといえる。

グウェンタル・プレネック氏はこの結果に対して「日本の食が世界に与えている影響は非常に大きい。『和食』の中には、寿司、天ぷら、焼き鳥、とんかつ、蕎麦、すき焼き、鉄板焼、ラーメン、餃子など多様な料理カテゴリーがあります。料理の種類の豊富さは他に類を見ず、東京のレストランシーンはとてもユニークです」と語る。

さらに料理の味だけでなく、日本の料理人たちに対しても高い評価を語ってくれた。

「『和食』としての評価だけでなく、日本人の料理技術が様々な食材や料理に対して適応できることや、食材に対して尊敬の念を持っていることも、世界に影響を与えているのではないでしょうか」

ミシュランのシェフジャケットを着て並ぶシェフたち

今後も全国に広がる『ミシュランガイド』に注目

国内で発行されている『ミシュランガイド』は、今年に入り『ミシュランガイド京都・大阪+鳥取2019』(鳥取が新たに掲載)が発行され、来春には『ミシュランガイド愛知・岐阜・三重2019 特別版』の発行も予定されている。このことから、東京はもちろんのこと、全国的に「その店のためにその土地へ訪れたい」といえる飲食店が増えてきているといえるだろう。100年以上の歴史を持つミシュランが評価する日本の「食」に、今後も世界中から注目が集まりそうだ。
■ミシュラン・ビブグルマン掲載店の求人一覧はこちら(求人@飲食店.COM)

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竹野愛理

ライター: 竹野愛理

食と文学を愛するライター。飲食店取材、食に関するコラム、書評を執筆のほか、食関連のメディアや書籍にて編集者としても従事。趣味は読書と散歩。本を片手に旅行したり食べ歩きをしたりすることが好き。