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外食市場の売上高、35か月ぶりに前年下回る。長梅雨による天候不順が影響

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画像素材:PIXTA

日本フードサービス協会が2019年7月度の外食市場動向調査の結果を発表した。梅雨明けの大幅な遅れが客足に影響し、全体売上が前年同月比0.5%減と、35か月ぶりに前年を下回った。

例年より遅い梅雨明けで外食売上高が前年比0.5%減

日本フードサービス協会によると、2019年7月度の外食売上高は前年同月比0.5%減だった。季節メニューの投入やメニュー価格の改訂などで客単価は上昇したものの、梅雨明けが例年より大幅に遅れ、天候不順や低温が続いたこと、さらに日曜日が1日少なく来店機会が減ってしまったことが原因とされている。

なお、客数は前年同月比1.7%減、一方で客単価は1.3%増だった。また、調査では新規店も含めた全店のデータを集計しており、今回の有効回収の事業社数は192社。店舗数は前回より227店舗減少して3万5390店舗だった。

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ファミレス、居酒屋業態ともに前年を下回る

業態別の動向をみてみると、ファストフード業態の売上高は1.4%増と前年を上回った。そのうち「洋風」はお得なランチ商品や季節限定商品などが好調で2.4%増、「和風」は定食メニューなどが伸びて1.6%増。「麺類」も出店増と客単価の上昇で2.6%増だった。

ファミリーレストラン業態は、前年比4.4%減。「洋風」「和風」とも付加価値メニューへの支持が見られたものの客数が振るわず、「洋風」6.3%減、「和風」6.0%減と前年を大きく下回った。「焼き肉」も、長引いた梅雨が客数に影響して0.5%減と32か月ぶりに前年を下回った。

パブ・居酒屋業態でも、長梅雨による日照不足と低温により、本来なら繁忙期のビアガーデンを中心に売上は不調。店舗数減少の影響もあり、「パブ・ビアホール」は2.3%減、「居酒屋」も1.2%減だった。

高級レストラン、喫茶店は悪天候に客足を左右されず
ディナーレストラン業態では、一部の高価格帯店の好調や新店効果により、2.1%増。喫茶業態は、梅雨明け後に季節のドリンクメニューが好調に推移して客単価が上昇し、3.7%増。どちらも悪天候はそこまで客足に影響しなかったようだ。

今回の調査結果では、業態によっては悪天候の影響で売上の減少がみられた。そうした業態は、天候の影響を最小限に抑えるために、例えばUber Eatsなどを利用してデリバリーサービスを導入するなど、売上を確保するための備えをしておく必要がありそうだ。

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上條真由美

ライター: 上條真由美

長野県安曇野市出身。ファッション誌・テレビ情報誌の編集者、求人ライターを経て独立。インタビューしたり執筆したり、平日の昼間にゴロゴロしたりしている。肉食・ビール党・猫背。カフェと落語が好き。