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新型コロナウイルスの影響拡大。国・地方自治体で飲食店を支援する動きも

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写真はイメージ。画像素材:PIXTA

中国のみならず、日本にも大きな打撃を与え始めた新型コロナウイルス。国内の感染者も増えており、今や日本全体の問題となっている。外出を控える人も増えていることから、飲食店への客足が遠のいてしまうなど、外食業界に与える影響も気になるところだ。今どんなことが起こっているのか? 新型コロナウイルスにまつわる外食業界の現状をまとめてみよう。

【注目記事】飲食店が活用できる新型コロナウイルス関連の「補助金・助成金」は?

そもそも新型コロナウイルスとは?

コロナウイルスとは、発熱や、くしゃみ、鼻づまりなどの風邪の症状を引き起こすウイルスのことを指す。これまでに6種類存在することがわかっていたが、今回新たに新型が発見されたという。現在世間を騒がせている新型コロナウイルスは、発熱やせきを伴う呼吸器感染症の一つとされており、重症化すると肺炎を合併するという。人から人へと感染することもわかっているが、その感染源や感染経路はまだまだ調査中だ。

【参考】
東京都感染情報センター 新型コロナウイルス感染症Q&A
厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)

スターバックスにマクドナルド……、中国店舗を一時閉店する外食チェーンも

新型コロナウイルスの発生を受け、飲食業界でも大きな動きがみられた。大手コーヒーチェーンのスターバックスは、中国に出店している2,000店以上の店舗を一時閉店とした。同社はここ数年積極的に中国の店舗を増やしていたところだったが、ウイルスの影響を受け、その勢いに歯止めをかける結果となった。

さらに大手ファストフードのマクドナルドやケンタッキーフライドチキンも中国に出店している店舗の一部を一時的に閉店すると発表。多くの飲食店が中国での営業を停止していることがわかった。

画像素材:PIXTA

ワタミは中国からの撤退を発表

一時的な閉店のみならず、中国からの完全撤退を実行した外食チェーンもみられた。居酒屋チェーンを展開するワタミは、中国に出店していた『和民』全7店を閉店し、中国から撤退することを発表した。撤退の時期は現在調整中だという。2005年に初出店してから現在まで中国での出店を続け、今後も店舗展開を検討していたという同社。今回のコロナウイルスにより、思わぬ終息となった。

旭川『とんかつ井泉』が新型コロナ発症を公表へ

新型コロナウイルスの対策や予防などが呼び掛けられる中、飲食店スタッフの感染も発見された。

北海道旭川市の人気店『とんかつ井泉』では、経営者の男性が発症していることがわかり、そのことを公表した。発症者がいることがわかれば客足が遠のくことも予想されるが、男性経営者は、客を心配させないように正しい情報を伝えたかったという。複数店舗のある同店は、経営者男性が頻繁に出入りしていた1店舗を一時的に閉店し、消毒を行ったとしている。

写真はイメージ。画像素材:PIXTA

コロナウイルスから飲食店を救う! 支援制度が続々と登場

新型コロナウイルスの影響で客足が遠のいた、売上が下がったと悩む飲食店も増えていることだろう。そんな状況を救うべく、国や地方自治体によって多くの支援制度が誕生した。

日本政策金融公庫では、新型コロナウイルスに関する相談窓口を設置。新型コロナウイルス感染症によって影響を受けた中小企業に対して「衛生環境激変特別貸付」を行っており、業績悪化に苦しむ飲食店をサポートしている。

このほか、各地方自治体でもさまざまな制度が設けられている。例えば、京都府および京都市では、京都府新型コロナウイルス感染症対策本部が「新型コロナウイルス対応緊急資金」融資制度を開始。京都府内で6か月以上継続して同一事業を行っている者で、直近1か月の売上が前年同時期と比べて10%以上減少、あるいは1か月間の原材料費等が前年同時期と比べて10%以上高騰している者などに対して融資を行うとしている。

また函館市は、これまで自然災害の復旧資金として活用してきた市中小企業融資制度の「緊急対策資金」を適用し、コロナウイルスの被害支援に充てるとしている。融資限度額は、運転資金1000万円、設備資金3000万円だ。これ以外にも各自治体が用意した支援制度が多く見られ、被害に遭った中小企業を支える動きが活発化している。

ちなみに、日本フードサービス協会のホームページでは、新型コロナウイルスに関する最新情報、店舗で実施すべき対策について情報の提供を随時行っている。飲食店の経営者、店長はチェックしてみるといいだろう。

新型コロナウイルスはまだまだわかっていないことも多く、さまざまな憶測も飛び交っている。しかし、安易な情報に踊らされず、正しい情報を取り入れることが大切だ。今後もしっかりと情報を精査し、新型コロナウイルスに対しての予防や対策を行うことが重要になるだろう。

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竹野愛理

ライター: 竹野愛理

食と文学を愛するライター。飲食店取材、食に関するコラム、書評を執筆のほか、食関連のメディアや書籍にて編集者としても従事。趣味は読書と散歩。本を片手に旅行したり食べ歩きをしたりすることが好き。