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『丸亀製麺』や『ミスタードーナツ』も値上げへ。牛肉、小麦など原材料費の高騰背景に

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写真はイメージ。画像素材:PIXTA

昨年から、大手飲食チェーンの値上げが相次いでいる。商品価格の引き上げというと、昨年秋の『吉野家』の値上げが記憶に新しいが、今年に入ってからも『丸亀製麺』などが値上げを実施している。

各社が値上げに踏み切った背景にあるのが、昨今の原材料の価格上昇だ。輸入牛肉や小麦を始めとする原材料の価格が高騰しており、メニュー価格を引き上げざるを得ない状況になっている。今回は、各社の値上げの状況とともに、原材料の価格高騰について紹介していく。

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『松屋』や『吉野家』に続き、『すき家』も値上げ

大手牛丼チェーンでは、昨年秋に『松屋』と『吉野家』が値上げを行っていたが、12月23日から『すき家』も価格を改定。変更前に350円だった牛丼並盛は、50円値上げし、400円となった。そのほかのサイズの牛丼についても、40~70円の値上げをしている。

『すき家』は今回の値上げ要因について、「昨今の世界的な原材料価格・原油価格の高騰によるもの」と説明。同社では、牛丼に米国産牛肉を使用しているが、現在輸入牛は“ミートショック”と言われるほど価格が高騰しており、その影響を受けた形だ。輸入牛の価格高騰の背景には、コロナ禍の人手不足や牛肉の需要拡大などがあるとされ、今後もしばらく続くとみられている。

写真はイメージ。画像素材:PIXTA

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小麦や食用油など、輸入牛肉以外の価格も上昇

牛丼チェーン以外の飲食店も原材料高騰の影響を受けている。大手うどんチェーンの『丸亀製麺』では、原材料費のほか、人件費や物流費の高騰を受けて、1月12日から値上げに踏み切った。「窯揚げうどん」や「丸亀うどん弁当」の価格を据え置く一方で、「かけうどん」などのうどんを20~30円値上げする。

また、大手ドーナツチェーンの『ミスタードーナツ』も、3月1日からドーナツやパイなど33商品を対象に値上げを行うことを発表。「ポン・デ・リング」や「オールドファッション」などは税抜価格で10円の値上げ、複数のドーナツを詰め合わせる「ドーナツポップ」は税抜価格で20~50円の値上げとなる。

『ミスタードーナツ』は、値上げに踏み切った要因として、小麦粉・食用油といった原材料の高騰や、物流費の上昇などを挙げている。輸入小麦については、政府が昨年10月、製粉業者へ売り渡す際の価格を19%値上げした。飲食店を始め、小麦粉を使用する企業に大きな影響を及ぼしている。

食材の価格高騰は今後も続くとみられており、値上げに踏み切らざるを得ない飲食店もあるだろう。飲食店にとってコロナ禍で客足が遠のくなかでの値上げは厳しいものがあるが、客が離れないような対策も併せて行っていきたい。

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サトウカオル

ライター: サトウカオル

グルメ、ライフスタイル、ITとさまざまなジャンルの執筆を経験。現在は、ポップカルチャー系のウェブサイトでグルメ関連の記事を執筆中。趣味は、料理とネットサーフィン。ネットで気になった料理を自分流にアレンジして食べるのが最近のマイブーム。