飲食店ドットコムのサービス

『餃子の王将』が過去最高の純利益。テイクアウト・デリバリーの好調が要因か

LINEで送る
Pocket
follow us in feedly

写真はイメージ。画像素材:PIXTA

『餃子の王将』を展開する株式会社王将フードサービスは、2022年3月期の連結決算を発表した。純利益は88億700万円と、前年に比べ2.1倍に増やし、過去最高を更新。また売上高847億7500万円(前期比5.2%増)、営業利益69億5900万円(同14.6%増)、当期純利益88億700万円(同105.4%増)と、いずれも増収増益を記録した。

【注目記事】飲食店の「DX化」、人気店の事例3選。『肉汁餃子のダンダダン』『松屋』ほか

メニュー値上げでさらなる増益の見込み

新型コロナウイルス感染拡大の影響による時短営業のさなかでも、かねてより好調だったテイクアウトやデリバリーが客単価向上に貢献したこと、イートインが徐々に回復基調に入ったことなどが増収につながった。また効率的なシフト編成による人件費の見直しや、補助金収入も増収増益の要因となっているようだ。

為替の円安やウクライナ侵攻によって原材料費・物流コストが高騰するなか、『餃子の王将』では2022年5月14日から、通常メニューの約2割に当たる14品目で価格改定に踏み切った。主力商品であるギョーザは264円から286円へ、チャーハンは495円から528円へと、商品によって22〜33円の値上げを行った(いずれも東日本の場合)。7年7か月ぶりとなる価格改定について同社は、仕入れ価格の高騰によるものと説明。さらにレシピの改定や、独自開発の鉄板を全店舗に導入するなど、美味しさの追求にコストをかけたと述べている。

写真はイメージ。画像素材:PIXTA

【注目記事】『東京MEAT酒場』を大胆リニューアル、四家公明氏の「コロナ禍の戦い方」

2023年3月期にはコロナ以前の水準まで回復する見通し

『餃子の王将』は今回の値上げに加え、累計10店舗を新規出店させることもあり、2023年3月期には売上高900億2900万円(前年度比6.2%)に到達すると見込まれている。協力金収入がなくなるため純利益こそ前年度比38%減の54億円と見積もられているが、営業利益は8%増の75億円と新型コロナウイルス感染拡大以前の水準まで回復する見通しだ。

新型コロナウイルスの影響に加え、原材料費のコストアップで外食業は厳しい状況に立たされている。一方で、テイクアウトやデリバリーの販路を確立し、ファミリー層の需要を獲得した店は強い。今後の経営状況にも注目していきたい。

この記事は役に立ちましたか?
はい いいえ
Pocket
follow us in feedly
飲食店ドットコム通信のメール購読はこちらから(会員登録/無料)
飲食店ドットコム ジャーナルの新着記事をお知らせします(毎週3回配信)
松本ゆりか

ライター: 松本ゆりか

東京でWebマーケターを経験した後、シンガポールへ渡りライフスタイル誌やWebメディア制作に携わる。帰国後、出版社勤務を経てフリーライターに。主に中小規模ビジネスや働き方に関する取材・執筆を担当。私生活ではひとり旅とはしご酒が好きなごきげんな人。