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東京初進出で月商1,500万円! 『徳田酒店』が打率10割で大ヒットを飛ばす理由

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エントランス目の前に設置されたメインカウンターは、卓上の奥行きを広くとっている

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30坪が間口の広い大衆酒場の適正規模

『徳田酒店』は客層が幅広いことも特色のひとつだ。有楽町店は40~50代の男性が主客層だが、20代の若者や70代の年配者も数多く利用しており、女性グループの来店も少なくない。

これは30~35坪を標準規模とし、大衆酒場として間口の広い店舗造作を採っていることに起因している。テナント2店分の物件に入居していることもあり、有楽町店は間口35m、奥行き3.5mと細長い店舗造作が特長だが、客席はエントランスの目の前にメインカウンター15席を配置するほか、カウンター8席、4人掛けテーブル9卓、2人掛けテーブル1卓を用意。これによって少人数のお客やグループ客などの幅広い利用動機に対応している。

また、大衆酒場は小さい店に客席がぎゅうぎゅうに詰め込まれているイメージがあるが、『徳田酒店』では客席間隔に十分なスペースを確保。さらにテーブルは肌触り、椅子は足の置き場なども考慮に入れた特注品を使用するなど使い勝手のよさを追求していることが幅広い年齢層の利用にもつながっている。

グレーと木目を基調としたシンプルな内装。お客の荷物をしまえるように壁に収納棚を設置するなど、利便性を高めるための工夫を随所に凝らしている

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原価率42%を投じても営業利益率は20%を確保

30~35坪という標準規模は収益アップにおいても大きな意味を持つ。有楽町店は原価率42%を投じながら営業利益率20%を確保。前述したように売上を最大化する立地戦略を採っていることに加え、「30~35坪はオペレーション効率が高い」(太田氏)ことも高収益のポイントになっている。

ピークタイムにおける有楽町店の人員配置はホール3人、キッチン3人、ドリンク1人。「規模が20坪だと厨房が小さくなって幅広い商品を揃えられなくなり、逆に40坪だと客席が大きくなり過ぎるために人員を中途半端に増やさなくてはならない」(太田氏)のだという。

有楽町店が好調なことから、すでに東京2号店の出店も検討中で、「有楽町エリアで3店をドミナント展開する」と太田氏は出店計画を語っている。バリューの追求を核とする成功モデルを確立した『徳田酒店』の快進撃は今後も続いていきそうだ。

『徳田酒店』有楽町店
住所/東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館B1
電話番号/090-3483-6999
営業時間/11:00~23:00
定休日/なし
席数/61

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栗田利之

ライター: 栗田利之

フリーランスの記者として、15年以上にわたって外食経営誌の記事を執筆。大手、中堅の外食企業や話題の繁盛店などを取材してきた。埼玉県下を中心に店舗網を拡げている「ぎょうざの満洲」が贔屓の外食チェーン。