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東京初進出で月商1,500万円! 『徳田酒店』が打率10割で大ヒットを飛ばす理由

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『徳田酒店』の事業責任者であるマネージャーの太田貴雅氏

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大阪府内に12店を展開し、大衆酒場の繁盛店として絶大な知名度を誇る『徳田酒店』。2022年7月には東京初進出を果たしたが、新天地でもその集客パワーを遺憾なく発揮。東京1号店である有楽町店は客単価2,700円、33坪61席の規模で月商1,500万円を達成している。打率10割で大ヒットを飛ばし続ける『徳田酒店』の勝ちパターンとは何か。マネージャーの太田貴雅氏にうかがった。

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『徳田酒店』有楽町店のフードメニュー。大衆酒場の定番商品をベースにして約50品をラインアップしており、このほかに「本日のおばんざい」3品(各330円)などを揃える日替りメニューも用意している

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原価率42%を投じてフード、ドリンクのバリューを追求

『徳田酒店』は酒類卸業を主幹事業とする株式会社徳田ホールディングスのグループ会社である株式会社竹茂が運営している。2010年9月に京阪電車・京橋駅の駅前に『徳田酒店』の1号店をオープン。それから繁盛酒場を次々と出店してきたが、太田氏は「大衆酒場としてバリューを追求し続けてきた結果」だとそのポイントを説明する。

「徳田盛り」(2,280円)は単品原価率が80%を超える看板メニュー。直径23cmの大きな盃に生マグロ、カンパチ、タイなどの刺身7種を豪快に盛り合わせる

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この太田氏の言葉が如実に表れているのが原価率42%という数値だ。『徳田酒店』は店ごとに商品が異なり、有楽町店はフードとして定番メニュー約50品と日替りメニュー約15品をラインアップしているが、売れ筋は「徳田盛り」(2,280円)。これは生マグロ、カンパチ、タイなど大ぶりにカットした刺身7種の盛り合わせだが、その単品原価率は実に85%にもおよぶ。

そのほかにも刺身はひとり客用の「おまかせ3種盛」(720円)や単品6品(630~780円)を用意しているが、「品質とボリュームを重視すると、刺身のカテゴリー原価率はどうしても70%近くまで上がってしまう」と太田氏は言う。

定番メニューが重要。ポテトサラダのレシピも店ごとに異なる

「牛すじ煮込み」(490円)、「いちぼレアステーキ」(980円)も単品原価率が50%を超えるお値打ちメニュー。千切りキャベツを玉子焼きで包んだ「京橋玉子焼き」(480円)、大阪の地ソースを使った「ヘルメスソースの焼そば」(530円)などの名物メニューが売れ筋だが、一方で「大衆酒場として真の実力が問われるのは定番料理」だと太田氏は力説する。

写真手前右から時計回りに、「ポテトサラダ」(490円)、「牛すじ煮込み」(490円)、「ねぎ塩牛はらみ」(530円)、「京橋玉子焼き」(480円)

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「ポテトサラダ」(490円)、「鶏のからあげ」(490円)などメニューのおよそ3分の1が大衆酒場の定番料理。太田氏は「手づくりによる品質追求」に加え、「手頃な価格」「食べやすい分量」「食べ飽きしない味わい」を商品力のポイントとして挙げるが、特筆すべきはこれらの定番料理はレシピが店ごとに異なることだ。

「均質化のためにレシピを統一したこともありましたが、現場スタッフから『自分たちの味で提供したい』という強い要望が上がってきました。その店のニーズをいちばん理解しているのはその店のスタッフだと考え、各店の料理長に品質管理を任せることにしましたが、それが店それぞれの個性になり、商品力につながりました」と太田氏はその理由を説明する。

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栗田利之

ライター: 栗田利之

フリーランスの記者として、15年以上にわたって外食経営誌の記事を執筆。大手、中堅の外食企業や話題の繁盛店などを取材してきた。埼玉県下を中心に店舗網を拡げている「ぎょうざの満洲」が贔屓の外食チェーン。