坪月商30万円を売る『韓国スタンド@』。名物「蔘鶏湯」を武器にグルメ激戦区で人気店に
「立ち飲みに来る人はお酒好き」。学芸大学で新業態にチャレンジ
そんな山崎氏が立ち飲み業態に目をつけたのはなぜか?
「コロナ禍で酒類提供の自粛要請がありましたが、アフターコロナでは反動でお酒の需要が戻ってくると思ったんです。特に立ち飲みに来るお客様はお酒が好きな人ばかり。従来の店舗は客単価6,000〜7,000円でしたが、立ち飲みは客単価2,500〜3,000円に抑えられるので客層も広がり、スタッフも楽しく働ける店が作れるとも考えました」
お店は地盤が固まってきた関西ではなく、よりネームバリューを高めたい東京において出店することを決意。学芸大学駅から徒歩4分ほどの路地裏1階に店を構えた。「『韓国料理の立ち飲みありやん』と感じてもらえたら」と話す。
料理は「まずは食べてもらいたいから」と180円〜980円とリーズナブルに設定し、クラシックかつ家庭的な韓国料理をコンセプトに定めた。これまでの店でも集客できるまでは原価をかけ、その後徐々に値上げする方針をとってきたという。
画像を見るメインの朴三淳の蔘鶏湯は系列店と同じ素材、同じレシピで作り上げた丸鶏4分の1サイズを、一人前980円で提供。チヂミ(480円〜)など既存店で提供していないが、レシピとしては存在していたメニューも小ポーションでラインナップさせた。
また、メニューには「朴さん家の食卓」という項目もあり、「ポッサムセット」はエゴマの葉やサンチュではなくキャベツが付く。「我が家で実際に食べていたもの、昔の韓国の家で食べられていたものを出しています」と山崎氏は明かす。
料理は約45品と多く、立ち飲みにしては手の込んだものが多いのが印象的だが、韓国料理の場合ナムル、キムチなど事前に仕込んでおくものが7割で、オーダーが入ってから作るものは3割なのだそう。そのため、営業前の仕込みをしっかりしておけば、営業中の調理オペレーションはまわるという。
「どこに何が置いてあるかわからなくなるし、非効率だから、仕込みは一人で行う」というのも母の教えで今に生きている。営業中は調理担当、盛り場担当、ドリンク担当の3人でまわすが、全員がマルチに活躍できるような教育を行っているという。