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14坪月商640万円の『貝と魚と炉ばたのバンビ』。超悪立地を逆手にとった「サプライズ戦略」とは

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写真左から、トロサバといぶりがっこの半熟玉子のせスモークポテトサラダ528円、生ポテトフライその場でガッチャンコー638円、通風生牡蠣1,078円

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リピート客比率は80%。予約をお断りするお客は1日10組におよぶ

アルコールはビール、ハイボール、酎ハイ・サワー、焼酎など幅広いジャンルを網羅し、490~580円(税込み539~638円)を中心価格帯として105種を揃えている。お客の目の前でスタッフがお茶を点てる「生抹茶割」748円、イチゴやパインのかき氷でつくるシャリキーンサワー1,628円などアルコールメニューにも驚きの仕掛けをさまざまに用意。アルコール売上比率は40%を確保している。

「生抹茶割の抹茶を点てている時間はお客様とコミュニケーションをとる絶好の機会。藁薫るスモークカルパッチョなどサプライズの仕掛けがある商品によってお客様との接点が増えることもリピート客づくりのポイントですね」(宮下氏)

そして、会計時にはあら汁をサービスしているが、お見送りの言葉にもプチサプライズを用意している。店長の山崎 賢氏が「お客様、お帰りです」と声をあげると、10秒ほど間を開けて「あっりがとうごっざいました!」とスタッフ全員が唱和するのだ。「間が空き、挨拶が終わったとお客様が思ったタイミングでひと言をかけるのがポイント。気を緩めている時のひと声の方がより印象に残りやすいんです」と宮下氏は説明する。

横浜伊勢佐木町の老舗お茶販売店「川本屋本舗」の抹茶を使用した「生抹茶割」(748円)は、お客の目の前でスタッフがお茶を点てる

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宮下氏の狙い通り、リピート客をがっちりと掴み、来店客に占めるリピート客の割合は8割。前述したように来店客の90%以上が予約客で占められ、満席で予約を断っているお客が1日10組を超えていることから、2号店の出店も検討中だ。「狙いどころは1号店と同じで、探しているのは隠れ家物件。北千住駅周辺は狭いエリアに繁華街と住宅街が混在しており、細い路地が迷路のように伸びていますから、1号店よりもさらにわかりにくい隠れ家物件を求めて路地を歩き回ってます」と宮下氏は笑う。

『貝と魚と炉ばたのバンビ』
住所/東京都足立区千住2-62 富士ビル3F
電話番号/03-3879-3559
営業時間/16:00~23:30(フードL.O.22:30、ドリンクL.O.23:00)
定休日/無休
席数/24

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栗田利之

ライター: 栗田利之

フリーランスの記者として、15年以上にわたって外食経営誌の記事を執筆。大手、中堅の外食企業や話題の繁盛店などを取材してきた。埼玉県下を中心に店舗網を拡げている「ぎょうざの満洲」が贔屓の外食チェーン。