10坪月商300万円の参宮橋ワンオペ“ピザ屋”『SAM』。自由と売上を両立する裏側
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「アテになるピザ」でワイン・ビール好きの心を掴む
そんな後藤氏が目指すのは、「酒のアテになるピザ」。自身が大のナチュラルワイン・クラフトビール好きだからこそ、食事のイメージが強いピザの価値観を変えたいと明かしてくれた。
生地には『カタネベーカリー』(幡ヶ谷)が自社農園で栽培する「まほらま小麦」の全粒粉をブレンド。香ばしさと味わい深さを持たせつつ、軽やかな食べ心地になるよう発酵時間やレシピを工夫し、一般的なピザよりも小さめのサイズにすることで、“つまみのピザ”に仕上げる。ピザを焼く際、窯に塩を敷き、最初に舌に当たるピザ生地の底に塩味を効かせるのは、『サヴォイ』流だという。
無論、そんなピザをナチュラルワイン好きが放っておくはずもなく、早くも一目置かれる存在に。ボトルが出ることもしばしばだといい、アルコール類が多く出ることも高い売上が得られている理由の一つのようだ。
でもあくまで“ピザ屋”。自分の好きなもので誰かが喜んでくれる幸せ
それでも、後藤氏は「『ピザが食べたい』と思った時に来てほしい」と語った。
「レコードの曲の中で、ピザとナチュラルワイン、ピザとクラフトビールという、僕の好きな楽しみ方が馴染んでいくと嬉しいですね。繁華街でも飲食店街でもなく、『参宮橋の住宅街に溶け込む、10坪の店』という立ち位置が、自分の自由なスタイルで好きなものを作るにはちょうどいい。それを誰かが喜んでくれれば、最高です」
今も昔も、一つの飲食店の存在によって街は大きく変わっていく。『SAM』がこれから、参宮橋を代表する1店になることは間違いなさそうだ。
『SAM wood fired(サム・ウッド・ファイアード)』
住所/東京都渋谷区代々木4-45-5 パークテラス参宮橋101
営業時間/15:00〜23:00
定休日/毎月1、2、16、17、29、30、31日
坪数・席数/10坪・10席
https://www.instagram.com/sam_woodfired_/
