坪月商45万円『ランタン』の新業態『MARUYAMA』。日本橋兜町で目指す居酒屋の新しいカタチ
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既存店は坪月商45万円超。「地元客半数」が長く愛される居酒屋の秘訣
オープンから約1か月(取材時)経った『MARUYAMA』。30坪、補助席含め38席+立ち飲みスペースで売上目標は月商1,000万円を掲げるが、現状は6割ほどで推移しているそうだ。現在は刺身の盛り合わせや土鍋ご飯などが人気だというが、メニューは季節ごとに入れ替えを予定している。
オープンから10年を超えた代々木上原の『ランタン』は20坪で現在月商800~900万円、『ランタン』池尻店も20坪で月商600万円と安定した経営を続けている。しかし、現状に甘んじることなく、常に見直しを図っているという。
「『ランタン』ブランドの客単価は現在4,000円~4,500円ですが、食材の質を追求すると原価も上がります。『MARUYAMA』で使うようなこだわりの食材を全店で使いたい。そのためには客単価を5,000円~6,000円に上げていく必要があります。客数を追いかけるだけでなく、顧客満足度とスタッフの満足度を高められるような営業スタイルへの転換を目指しています」
そのために丸山氏は、現場の声に耳を傾け、社内体制の変更も行ってきた。
飲食業界では居酒屋の倒産件数が過去最多となるなど、依然として厳しい状況が続いている。長く愛される居酒屋には今後、何が必要なのだろうか。
「やはり地元の方々が、半分くらいは来てくださるお店を目指すことでしょうか。それと同時に、遠方からわざわざ足を運んでくれる方、観光客の方々とのバランスが重要です。SNS映えだけを狙った瞬間的な集客に頼らず、いかにリピーターを増やしていくかが鍵になりますね」
エリアに応じた集客手法で、新たなチャレンジも目論むシェルシュ
今後は、エリア全体の再開発も計画されており、街の集客力向上も期待される日本橋兜町。東京駅や日本橋駅などの繁華街や観光地も近いことから、インバウンドの需要も高く、平日と週末では客層も異なるという。今後は営業日の見直しや、金融機関や製薬会社といった周辺企業へのアプローチ、30~40名規模の貸切プランの造成なども検討している。食べログやGoogleマップの評価向上も重要課題だ。
「『MARUYAMA』を起点に、様々なイベントや海外展開も視野に入れています。関わるスタッフ、生産者、お酒の作り手、そしてお客さま、皆にとってプラスになるような存在でありたい。将来的には、各ブランドでの新規出店や、カフェ、酒屋といった新しい業態への挑戦も考えています。イベント出店の際にも、しっかりと利益を生み出せるような強い会社にしていきたいですね」
日本橋兜町という歴史と新しさが交差する街で、『MARUYAMA』の挑戦は始まったばかりだ。その自由な発想と食への真摯な姿勢が、この街にどのような新しい風を吹き込むのか、今後の展開から目が離せない。
『MARUYAMA』
住所/東京都中央区日本橋兜町K5 1階
電話番号/03-6661-0923
営業時間/11:30~14:30(コースL.O.13:00、定食L.O.13:30)、17:00~22:00(フードL.O. 21:00、ドリンクL.O.21:30)
定休日/水曜
坪・席数/32.4坪・38席(立ち飲み+10席)
https://maruyama-tokyo.jp/
