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「飲食業は賭けではない」。ポルトガル料理『クリスチアノ』佐藤幸二氏の“ハンパない”経営哲学

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株式会社キュウプロジェクトの佐藤幸二社長

株式会社キュウプロジェクトの佐藤幸二社長(44)は2010年12月に代々木八幡にポルトガル料理の『クリスチアノ』をオープンし、2018年6月現在、6店舗を展開している。ポルトガル料理という、あまりなじみがないジャンルに着目し成功を収め、さらに別ジャンルにも進出する大胆な経営手法は特異な存在と言える。リスクを恐れない冒険家的なイメージに見られがちだが「飲食は賭けではない」を信念に、確固とした経営哲学でグループを率いる。佐藤社長に経営に対する考えを聞いた。

「ポルトガル料理はニーズに合う」。確信の背景にあったもの

佐藤社長の経歴を見ると1996年4月から2001年12月までイタリアなど3か国の欧州のレストランで修行をしているが、ポルトガルでは働いていない。2010年の独立前はファストフードの店を考えていたが、土地柄を考え、数か月前にポルトガル料理に変更。その判断が今の繁盛につながっている。

━━ご自身のキャリアからはポルトガルと縁はないようですが、知識はどのように入手されたのでしょうか

佐藤幸二社長(以下、佐藤) もともと前の会社で、ポルトガル料理店を運営していまして、マカオ式のポルトガル料理ですが、触れる機会はありました。そこにポルトガル大使館で働いていた料理人がいたので教えてもらったり、ポルトガルに旅行に行き、知り合いの方に料理を教えてもらったり、後は自分で食べに行ったり、本を買って勉強したりしていました。

━━ポルトガル料理を始める時に潜在的需要はある、あるいは潜在的需要を掘り起こすという意識はあったのでしょうか

佐藤 ヨーロッパ料理の中で、日本でメジャーなものとしてイタリアン、フレンチ、スパニッシュがありますが、ポルトガルはそれほどかけ離れていません。それでいて、それほど知られていません。そういう意味で、日本のニーズに合うだろうと考えました。

━━ニーズに合うと考えた理由を、もう少し詳しくお願いできませんでしょうか

佐藤 かつて西洋料理といえばフランス料理だったものが、徐々にイタリア料理へ移行してきたのは、多分、オリーブオイルと、魚料理に見られるシンプルな素材の使い方があったからでしょう。受け入れられやすい料理は、実は健康志向の部分が大きいと分析していました。そのためヨーロッパの中ではポルトガル料理は可能性があると考えたわけです。ポルトガルの人は魚と野菜と米を、他のヨーロッパ諸国に比べてよく食べますから。

「豚とハマグリのアレンテージョ風」

スケールメリットを考えつつ、単なるコピーをしない理由

1つの店舗が当たったら、それを前面に押し出して他地区にも同じ店舗をつくってチェーン展開していくのが成功への近道と言えるかもしれない。そうした方法で成功している会社もある。しかし、佐藤社長はそのような方法は採らなかった。ポルトガル料理で成功し、その優位性を活用しつつ1軒1軒、コンセプトを変えた店舗をオープンしていったのである。

2010年12月 『クリスチアノ』(ポルトガル料理)
2013年1月 『ナタ・デ・クリスチアノ』(エッグタルト・ポルトガル菓子の小売)
2013年12月 『パッポンキッチン』(タイ料理)
2014年9月 『マル・デ・クリスチアノ』(ポルトガル料理)
2016年3月 『スペイン バレンシアナバル ブリーチョ』(スペインバル)
2017年2月 『おそうざいと煎餅もんじゃ さとう』(惣菜ともんじゃ焼き)

━━独特の店舗展開ですね

佐藤 『クリスチアノ』を作る時に3店舗を予定していました。生き残るためにはスケールメリットを享受するしかないと考えていましたから。2号店は何かあった時に別事業を構えておいた方がいいので、物販事業を始める目的がありました。3号店はイレギュラーな形で、あまり考えていなかったタイ料理の店です。

━━『マル・デ・クリスチアノ』は『クリスチアノ』で捌ききれないお客様の受け皿としてオープンさせたのでしょうか

佐藤 そうです。『クリスチアノ』では1日に50人から60人のお客様を断っていました。データをずっと取っていて「これなら、このあたりに受け皿を作ってもいいのかな」と。当初は同じ店を考えたのですが、日本ではあまり食べられていない魚が多いということもありますし、そもそも外食産業に魚食文化の提案があまりないというのがありましたから、魚のポルトガル料理に特化した店にしました。

━━微妙な差異を出したことはプラスになったのでしょうか

佐藤 魚料理を食べたいということで入ってくださるお客様が増えました。魚と野菜で十分ご満足いただけるということで、『クリスチアノ』の受け皿というより顧客の新規開拓につながっています。

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松田 隆

About 松田 隆

青山学院大学大学院法務研究科卒業。スポーツ新聞社に29年余在籍後にフリーランスに。「GPS捜査に関する最高裁大法廷判決の影響」、「台東区のハラール認証取得支援と政教分離問題」等(弁護士ドットコム)のほか、月刊『Voice』(PHP研究所)など雑誌媒体でも執筆。ジャーナリスト松田隆 公式サイト:http://t-matsuda14.com/