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「来店客の8割がインスタ経由」の肉バルに聞く、コロナ禍でも強い飲食店のSNS活用術

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毎日投稿するなら、リポストや既存の写真を活用しない手はない

統一感ある投稿で独自の世界観を演出し、多くのフォロワーを獲得している『肉ダイニングRAKUGAKI』のインスタグラムアカウント。だが、意外にも、佐々木さん自身が撮影した写真は投稿全体の3分の2ほどだという。

「お客様がアップした写真でよかったものを、積極的にリポスト(共有)しています。タグ付けされていない投稿は通知が来ませんが、ハッシュタグで検索して見つけています」

左下・右下にアカウント名が入っているのが「リポスト」の投稿

料理の見た目や写真映えにこだわっているため、お客が撮影した写真はどれも魅力的なものばかり。佐々木さんは「アカウントの世界観が統一されていれば、投稿内容を自分で撮影した写真に限定する必要はない」という考えだ。

「自前の写真を使うことにとらわれるよりも、毎日アップして一人でも多くの人の目に留まることが優先。アカウントの世界観にマッチする写真はどんどん使わせていただいて、できるだけ投稿を絶やさないようにしています」

過去にアップして反響が大きかった写真を、日を空けて繰り返し投稿することもあるという。SNSの更新が続かず悩んでいる人は、毎日新規ネタを投稿することにこだわらず、佐々木さんのように「既存のものを上手く活用する」ことを意識してみるといいだろう。

ハッシュタグ選定ではトレンドを意識する 投稿数のチェックも必須

インスタグラムで写真と同様に重要なのが「ハッシュタグ」だ。ハッシュタグは投稿のラベルのような役割を果たしており、ユーザーは「#〇〇」と検索することで、知りたい情報に簡単にたどり着ける。より多くのユーザーへリーチするには、このハッシュタグの付け方にも工夫が必要だという。

「インスタグラムでは、検索窓に言葉を入力すると、そのキーワードをハッシュタグにした投稿の件数が見られるんです。僕は必ず、投稿数が100件以上のハッシュタグを選んで付けています。ただし、『#渋谷焼肉』など投稿数が多すぎるものは、競合も多いので見られにくい。『#渋谷ランチ』のように、投稿数が多すぎず少なすぎないものがいいですね」

肉バルである同店とは直接関係のない「#渋谷美容室」のようなハッシュタグも織り交ぜる。ターゲット層である、渋谷に来る若者に店の存在を知ってもらうのが狙いだ。

また、ハッシュタグにも流行り廃りがある。佐々木さんは1日1~2時間ほどSNSをチェックして、常に「今はどんなハッシュタグが検索されやすいか」を把握し、毎日の投稿に反映している。

店名や「#渋谷グルメ」などの定番のほか、「#自粛解禁」「#おうち時間終了」などトレンドのハッシュタグも取り入れる

「SNSアカウントを伸ばすには、人気投稿の傾向やトレンドを掴むためのインプットが欠かせません。そして、アウトプットもインプットと同じくらい重要です。吸収したものは、自ら発信して初めて自分のものになると実感しています」

他者のよい点を素直に吸収し、咀嚼してアウトプットする。時流を押さえながらも、自分の強みを活かして独自の世界観を構築する。集客につながるSNSの活用術は、厳しい時代を生き残る術と直結しているのかもしれない。

『肉ダイニングRAKUGAKI(ラクガキ)』
住所/東京都渋谷区神山町17-5 1F
電話番号/050-5461-0502
営業時間/11:30~14:30 17:00~24:00(23:00 L.O)
定休日 /不定休
席数/25

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小晴

ライター: 小晴

美容系雑誌編集者・ライターを経てフリーライターに。品川区のローカルニュースサイト「品川経済新聞」記者として、多くの飲食店取材に携わる。趣味は食べ歩き・飲み歩きと銭湯。