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坪月商59万円を売る『farm studio #203』。カウンター中華割烹で悪立地を克服

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『farm studio #203』店主の濱田利彦氏。料理人とサービスマンの両方で豊富な経験を有する

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東急東横線の学芸大学駅周辺は話題店が次々とオープンしている注目エリアだが、中でもひときわ異彩を放つスタイルを打ち出し、坪月商59万円を売り上げているのが『farm studio #203』だ。客単価は昼2,100円、夜4,800円。中華レストラン、中華食堂、中華バルなど既存の中華業態に分類できない「カウンター中華割烹」ともいうべき独自のスタイルを提案。店主の濱田利彦氏に業態開発の狙いとメニュー構成のポイントについてうかがった。

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飲食店が点在する住宅エリアに新築された高級マンションの2階に入居。1、2階には飲食店やスナックなどが軒を連ねているが、目的客以外が2階に上がってくることはほぼない

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悪条件の立地を克服するために業態発想を180度切り替えた

濱田氏は20代の時に中国料理レストラン『銀座アスター』で料理人として修業を重ね、30代になるとオーベルジュ形態のリゾートホテルに勤務。そこでサービス技術を学ぶとともにソムリエの資格を取得した。2019年5月に『farm studio #203』を開業したが、「40歳を過ぎての独立だったこともあり、物件がなかなか決まらずにやや焦りもあった」と濱田氏は当時を振り返る。

『farm studio #203』が店を構えているのは、学芸大学駅近くの細い路地沿いに建つマンションの2階。駅から徒歩2分とアクセスはいいものの、店前通行量が少なく、店の視認性も悪い。しかも、6.7坪の小規模店という不利な条件が重なっていたが、そうした悪条件を克服すべく、考案されたのがカウンター中華割烹のスタイルだった。

「路面店ではないため、中華食堂のような低価格、高回転の業態は成り立ちません。また、中華料理は大皿料理が醍醐味のひとつですが、小さな店だとグループ客を受け入れることも難しい。中華業態には向かない条件が揃っていたため、発想を180度切り替え、『中華業態が摑めていない少人数の女性客のニーズを取りにいこう』と考えるようになったんです」(濱田氏)

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栗田利之

ライター: 栗田利之

フリーランスの記者として、15年以上にわたって外食経営誌の記事を執筆。大手、中堅の外食企業や話題の繁盛店などを取材してきた。埼玉県下を中心に店舗網を拡げている「ぎょうざの満洲」が贔屓の外食チェーン。