オープン半年で月商300万円を600万円に。悪立地を跳ね返す『oh 釜 bar』の強さとは
『ジョウモン』や『ごりょんさん』など居酒屋の超繁盛店を次々と輩出してきた株式会社ベイシックス。その最新店である東京・渋谷の『oh 釜 bar shibuya』は2022年12月のオープン当初は集客にやや苦戦したものの、半年間で売上を月商300万円から月商600万円に急上昇させている。
決して条件のよくない立地に店を構えながら、繁盛店をつくり続けられるのはなぜか。『oh 釜 bar』の取り組みを追いながら、同社専務取締役の柳沢和哉氏にその強さの秘訣について聞いた。
【注目記事】『下北六角』16坪で月商1,100万円超え。2TAPSの「勝利の方程式」を探る
画像を見る大ヒットメーカーである岩澤博社長がずっと温めていた業態
ベイシックスは東京都内の4年振りの出店として、2022年12月に居酒屋2店を同時オープンした。出店エリアは渋谷の中でもディープなスポットである「渋谷百軒店(ひゃっけんだな)」。2階建て一軒家の1階に沖縄・那覇に出店していたジンギスカン業態の『成吉思男(ジンギスマン) 渋谷店』を移転リニューアルする形でオープンしたが、その2階に出店したのが新業態の『oh 釜 bar shibuya』だ。
画像を見る『oh 釜 bar』は釜を使った料理をフードの柱にした居酒屋だが、これは同社代表取締役であり、『ジョウモン』や『ごりょんさん』などの大ヒットブランドを次々編み出してきた岩澤博氏が以前から温めていた業態だという。
「釜料理のシズル感とユニークな店名の組み合せが業態構想の出発点。ただ、釜料理という料理ジャンルがあるわけではないですから、メニュー開発は試行錯誤の連続でした」と業態開発を手がけた専務取締役の柳沢和哉氏は説明する。
画像を見る悪立地の店を繁盛店に変えることが腕の見せどころ
『oh 釜 bar』は18坪36席という規模だが、オープン当初の売上は月商300万円にも届かなかったという。渋谷百軒店のメインストリートから外れた細い路地沿いにある一軒家の2階。こうした視認性の悪い立地に加え、「新業態で攻め方がわかっていなかった」(柳沢氏)ことがその要因として挙げられる。
ただ、「当社の店のほとんどがいわゆる『悪立地』に出店しています。それをどう克服し、繁盛居酒屋をつくっていくか。それが僕らの腕の見せどころなんです」と柳沢氏は語気を強める。