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月商400万円が850万円に倍増! 『串焼きと天ぷら 春子屋』の「二枚看板戦略」とは

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アルコールのメニューラインアップはリニューアル前後で大きく変えておらず、日本酒の品揃えを厚くしている。アルコール売上げ比率は45%を確保しており、全体に占める日本酒の売上げ比率は30%。写真左から、栄光冨士 純大吟 無濾過生原酒(1,099円)、大信州 秋の純吟(1,099円)、明鏡止水 純米吟醸(879円)、不動 彗星 無濾過生原酒(879円)、あたごのまつ 純米吟醸ささら(879円)で、すべてグラスの価格

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客層が拡がり、来店客は20代女性と50代男性の割合が高い

リニューアルによって『春子屋』の客層と利用動機はがらりと変わった。

『酒場 春子屋』の頃は大衆酒場の主客層でもある40~50代男性が来店客の8割を占めていたが、『串焼きと天ぷら 春子屋』の主客層はかなり変わっている。『春子屋』はLINEの会員登録制を導入しているが、その年齢層と男女比分布で20代女性と50代男性が突出して多いのだ。

これについて羽毛田氏は「天ぷら、串焼き、おでんはそれぞれ居酒屋の定番商品であり、それが50代男性の集客につながっているのだと思います。一方、20代女性の来店がここまで増えたのは想定していませんでした。二枚看板戦略によって『御徒町+天ぷら』『御徒町+串焼き』といったキーワードでSNS検索やGoogle検索をすると『春子屋』が検索上位にリストアップされるようになったことによる成果ではないかと分析しています」と説明する。

同じ御徒町エリア内にあるグループ店の『おでんと焼売 まつうら食堂』。こちらの店が成功したことが春子屋で二枚看板戦略を採り入れるきっかけになった

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リニューアルによる一番の変化が客単価だ。『酒場 春子屋』の客単価は3,300円だったが、利用動機がフリ客の酒場利用から目的利用に変わったことによって『串焼きと天ぷら 春子屋』では同4,500円にアップした。原価率もリニューアル前後で34%から26%に圧縮され、営業利益率28%を確保する高収益モデルを構築している点も注目される。

同社は23年中に御徒町エリアに3店目の出店を計画。「新店は客単価6,000円前後のややアッパーな居酒屋にチャレンジしたいと考えています。こちらの店には二枚看板戦略を採り入れる予定はありませんが、メニューカテゴリーの組み立て方などは『まつうら食堂』や『春子屋』で得たノウハウを活かせると考えています」と羽毛田氏は語る。

『串焼き 天ぷら 春子屋』
住所/東京都台東区上野3-18-13 パークリーガル上野
電話番号/03-5812-4243
営業時間/15:00~23:00(L.O.22:30、土・日・祝14:00~22:00《L.O. .21:30》)
定休日/無休
席数/45(+テラス6)

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栗田利之

ライター: 栗田利之

フリーランスの記者として、15年以上にわたって外食経営誌の記事を執筆。大手、中堅の外食企業や話題の繁盛店などを取材してきた。埼玉県下を中心に店舗網を拡げている「ぎょうざの満洲」が贔屓の外食チェーン。