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【2024年版】飲食店が活用できる補助金・助成金まとめ。IT導入補助金、事業再構築補助金ほか

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新型コロナウイルスが5類に移行し、飲食店も徐々に活気を取り戻しつつある。一方で、物価や人件費の高騰、慢性的な人材不足等の課題に頭を悩ませている飲食店経営者も多いだろう。こうした中で注目したいのが、補助金や助成金といった支援制度だ。今回は、飲食店が利用できる、国の補助金や助成金について紹介する。

飲食店が利用できる国の補助金・助成金

■事業再構築補助金
事業再構築補助金は、コロナ禍を経て経済社会が変化する中、事業再構築(新分野展開、業種・業態・事業転換、事業再編等)に取り組む中小企業等を支援するための制度。申請には、「認定経営革新等支援機関による事業計画の確認」や「付加価値額の向上(申請枠毎に異なる)」などを満たす必要がある。

第11回公募では、「成長枠」、「グリーン成長枠」、「卒業促進枠」、「大規模賃金引上促進枠」、「産業構造転換枠」、「物価高騰対策・回復再生応援枠」、「最低賃金枠」が用意されていた。

・補助上限額:100万円~1.5億円(※申請枠や従業員数等によって異なる)
・補助率:1/2~3/4(※申請枠や企業規模等によって異なる)
・補助対象経費:建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費等
▼事業再構築補助金

■ものづくり補助金
革新的サービスや試作品の開発、生産プロセスの改善等を行う、中小企業等を支援するための制度。16次では、「通常枠」、「回復型賃上げ・雇用拡大枠」、「デジタル枠」、「グリーン枠」、「グローバル市場開拓枠」が設けられていた。

基本要件として、「給与支給総額を年率平均1.5%以上増加」、「事業場内最低賃金が地域別最低賃金より30円以上高い」、「付加価値額を年率平均3%以上増加」を満たす3~5年の事業計画策定、実施する必要がある。

・補助上限額:100万円~4,000万円(※申請枠や従業員数等によって異なる)
・補助率:1/2~2/3(※申請枠や従業員数等によって異なる)
・対象経費:機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費等
▼ものづくり補助金

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■IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業等が生産性向上のため、ITツールを導入する際の経費を補助する制度。「通常枠」、「インボイス枠(インボイス対応類型)」、「インボイス枠(電子取引類型)」、「セキュリティ対策推進枠」、「複数社連携IT導入枠」が設けられている。

・補助上限額:5万円~450万円(※申請する枠や類型等によって異なる)
・補助率:1/2~3/4(※申請する枠や類型等によって異なる)
・対象経費:通常枠=ソフトウェア購入費・クラウド利用料など、インボイス枠(インボイス対応類型)=受発注ソフト、そのほかの対象経費は下記ホームページを参照
・次回の申請締切日:2024年3月15日
▼IT導入補助金

■小規模事業者持続化補助金
小規模事業者等が経営計画に基づいて実施する、販路開拓や生産性向上の取り組みを支援する補助金。「通常枠」、「賃金引上げ枠」、「卒業枠」、「後継者支援枠」、「創業枠」がある。インボイス特例が設けられており、「免税事業者から適格請求書発行事業者への転換」などの要件を満たした事業者は、補助上限額が50万円上乗せされる。

・補助上限額:通常枠=50万円、賃金引上げ枠・卒業枠・後継者支援枠・創業枠=200万円(※インボイス特例適用事業者は50万円上乗せ)
・補助率:2/3(※賃金引上げ枠のうち、赤字事業者は3/4)
・補助対象経費:機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、資料購入費、雑役務費、借料、設備処分費、委託・外注費
・申請締切日:第15回受付締切 2024年3月14日
▼小規模事業者持続化補助金 商工会商工会議所

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■雇用調整助成金
経済的理由で事業活動を縮小した事業主が、雇用を維持するために休業等の雇用調整を実施する際に発生した費用を支援する制度。2023年3月までは、コロナ特例が設けられていたが、現在は終了し、通常の運用となっている。

・助成上限額:1人1日あたり8,490円、教育訓練を実施した場合は1,200円加算
・助成率:中小企業=2/3、大企業=1/2
・支給申請期間:判定基礎期間終了後、2か月以内
▼雇用調整助成金

■業務改善助成金
事業場内最低賃金を引き上げ、生産性向上のために設備投資等を行った中小企業・小規模事業者等を対象にした制度。「30円コース」、「45円コース」、「60円コース」、「90円コース」があり、引き上げた事業場内最低賃金額等により、助成上限額が異なる。また、賃金要件、生産量要件、物価高騰等要件に特例が設けられており、いずれかに該当する事業者は助成上限や助成対象経費が拡大する。

・助成上限額:30万円~600万円(※引き上げ額や労働者数等により異なる)
・助成率:事業場内最低賃金が900円未満=9/10、900円以上950円未満=4/5(9/10)、950円以上=3/4(4/5) ※()内は生産性要件を満たす場合
・助成対象経費:設備投資費、コンサルティング費等
・申請期限:2024年1月31日
▼業務改善助成金

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■キャリアアップ助成金
非正規雇用労働者(有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者)のキャリアアップ促進のために、正社員化や処遇改善支援に取り組む事業者を支援する制度。「正社員化コース」、「障害者正社員化コース」、「賃金規定等改定コース」、「賃金規定等共通化コース」、「賞与・退職金制度導入コース」、「短時間労働者労働時間延長コース」、「社会保険適用時処遇改善コース」がある。

・支給額(1人あたり):正社員化コース=57万円、障害者正社員化コース=最大120万円、賃金規定等改定コース=最大6.5万円
・支給額(1事業所あたり):賃金規定等共通化コース=60万円、賞与・退職金制度導入コース=最大56.8万円、短時間労働者労働時間延長コース=最大23.7万円、社会保険適用時処遇改善コース=最大50万円(※条件等により支給額は異なる。また、コースにより加算措置あり)
・支給申請:取り組み後、6か月分の賃金を支払った日の翌日から起算し、2か月以内
▼キャリアアップ助成金

今回は、国の補助金や助成金から飲食店が使えるものを紹介したが、自治体が独自に行っている支援制度もある。国の制度とあわせて、店舗を営業している自治体が実施している補助金や助成金についてもチェックし、有効活用してほしい。

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サトウカオル

ライター: サトウカオル

グルメ、ライフスタイル、ITとさまざまなジャンルの執筆を経験。現在は、ポップカルチャー系のウェブサイトでグルメ関連の記事を執筆中。趣味は、料理とネットサーフィン。ネットで気になった料理を自分流にアレンジして食べるのが最近のマイブーム。