月商700万円を売る高円寺『酒場ニホレモ』。キャッチーな業態づくりがヒットの鍵に
リピーターづくりに課題。高円寺の飲み文化を考える
順調に売り上げを伸ばした同店だが、実は常連客は3~4割ほどと少ない。繁盛店のセオリーと異なるが、高円寺という街ならではの特徴が背景にあるようだ。
「高円寺は週末に人が集まる街です。平日と週末の乗降客数は何倍もの開きがあります。特に若い世代は休日に古着屋を巡ってその後飲みにいく需要があって、酒場も何軒か巡る風潮にあります。当店も8割が女性ですが、飲みリテラシーは高いです」
客の中心は新規客で、女性グループやデートでの来店が多いそう。高円寺のハシゴ酒で訪れる1店と考えれば、客単価3,500円はちょうどいいと柴崎さんは言う。
「新規客が来店する流れはできているので、より親近感のある接客や、LINEマーケティングなどを使った施策で、常連客を増やす取り組みを強化したいです」
画像を見るヒットの業態づくりに大切なのは、他店に埋もれないキャッチーさ
2023年4月、高円寺駅高架下に新設された飲食店街「高円寺マシタ」に、姉妹店として『スパイスと創作料理 この一杯のために。』をオープンした。『酒場ニホレモ』での経験を生かし、こちらではスパイスをフックに新しいトレンド需要をとりに行く考えだ。
「高円寺マシタはまだ出店店舗が揃っていないこともあってか、初速は思ったよりよくないんです。『この一杯のために。』はこれからの店なので、スタッフ一丸となって取り組んでいきます」
『酒場ニホレモ』は出店地の特徴を理解したうえでのキャッチーな業態づくりが、トレンドに敏感な高円寺系女子の目に留まっていた。「有名店出身でもない僕たちが、いわゆるバルだったり日本酒居酒屋をしても埋もれてしまう」と、特性のある業態づくりの重要性を柴崎さんは繰り返す。テクノロジーも活用した客観的な分析で、客のニーズに合せて微調整を繰り返した同店の6年間に学ぶところは大きい。
『酒場ニホレモ』
住所/東京都杉並区高円寺北3-20-19 マガザン高円寺
電話番号/03-5356-7662
営業時間/月~木11:30~23:00、金11:30~24:00、土12:00~24:00、日祝12:00~23:00
定休日/無休
席数/30
『スパイスと創作料理 この一杯のために。』
住所/東京都杉並区高円寺南3-70-2
電話番号/070-3131-6773
営業時間/月~木12:00~23:00、金土日祝12:00~24:00
定休日/無休
席数/50