飲食店の閑散期、どう乗り切る? 繁盛店『クランドサケマーケット』に聞く「イベント集客術」
飲み放題の日本酒ボトル一つひとつにお酒の特徴を記す札を付ける
告知・集客ツールは4つのSNSで多方面へアプローチ
これだけのイベントを開催するとなれば、その集客術も気になるところ。『KURAND SAKE MARKET』ではホームページやメルマガのほか、SNSを集客ツールとして利用。SNSを集客ツールに利用することは他店でもよくあるが、同店では、その特性によってアプローチ方法を工夫。「SNSで利用しているのは、Facebook、Twitter、LINE@、Instagramの4つ。利用層によって投稿の内容を変えています」と小紙さん。
蔵元飲み比べイベントのほかに、「日本酒仲間がいない」という若者に向けての20代限定イベント、なかなか食べる機会がないワニやカンガルーなどの「珍肉」と日本酒のペアリングが楽しめるイベントも開催している。
「さまざまな体験をしてもらうことで、日本酒に新しい価値を見つけてほしいという思いから企画しました。お客様の声を元に、各店の店長が主体となって進行・開催したイベントも多くあります」

昨年1月末には「美酒鍋」を食べて楽しむだけでなく、レシピまで披露するイベントも開催
これらのイベントを機に、日本酒にハマる人もいるほか、顔見知りになり友人として付き合い始める客も多くいる。イベントで連絡を取り合うようになった客同士が、次の集まりにと『KURAND SAKE MARKET』を選ぶこともよくあると小紙さんは教えてくれた。今後の展開を伺ったところ、次のように答えてくれた。
「首都圏以外からも、出店してほしいという要望をいただいております。また、新規出店はもちろんですが、酒蔵の皆さんやお客様と一緒に作った『オリジナル日本酒』の販路を広めることも考えています。そこから若い方を中心に、枠にとらわれない新しい日本酒の価値を広げていきたいですね」
日本酒だからと肩ひじ張らず、カジュアルに、自由に楽しんでほしい。『KURAND SAKE MARKET』にとって「イベント」は、その楽しみ方を提案できる最高の場。そしてさまざまな楽しみ方を教えてくれるからこそ、客は新しい発見に心を躍らせ、気がつけば何度も通うファンになっていくのだろう。
