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名店『クリスチアノ』佐藤幸二氏が“スピンオフ”でもんじゃ焼き『さとう』をやる理由

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『おそうざいと煎餅もんじゃ さとう』オーナーの佐藤幸二氏

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小田急線・代々木八幡駅の駅前通りにある『おそうざいと煎餅もんじゃ さとう』は、ポルトガル料理の人気店『クリスチアノ』のオーナー・佐藤幸二氏が手がける店。イートインでもんじゃ焼きを提供し、店頭ではお惣菜をテイクアウト販売するという珍しいスタイルの店だ。

どちらも厳選した素材と手間を惜しまない調理で2017年3月のオープンから人気を博し、売上も好調だという。そこで今回は、オーナーの佐藤氏にポルトガル料理をメインに展開する中でなぜもんじゃ焼き屋を始めたのか、また店づくりで工夫していることなどを聞いていく。

【注目記事】「飲食業は賭けではない」。ポルトガル料理『クリスチアノ』佐藤幸二氏の“ハンパない”経営哲学

お惣菜ともんじゃ焼きを一緒にやる理由

もんじゃ焼きとお惣菜、さらに月替りのラーメンも提供するという変わったスタイルは、どのように思いついたのだろうか。

「新しい店を検討したときに、このエリアにない店を考えました。1店舗目に作ったポルトガル料理店『クリスチアノ』から考え方は変わっていないのですが、店を出す際には『街の人が必要として、利用してくれるか』を重視しています。

それで、デパ地下のような高級志向ではなく、庶民派の街のお惣菜屋さんをやろうと思ったんです。また、元々私が浅草に住んでいてもんじゃ焼きに馴染みがあったので、もんじゃもやれば近所の子供も集まりやすくなると思いました。それがお惣菜ともんじゃを一緒にやろうと考えた経緯です」

お惣菜のショーケースの脇を店内奥に進むと、畳敷きのイートインスペースがあるが、そこには一つの工夫がされているという。

「“一軒家感”を出すために天井の一部を内装工事でわざわざ斜めにしたんですよ。そうすることで実家のようにくつろげる空間にしています。あとは元々もんじゃ焼きが提供されていた“駄菓子屋っぽさ”を出したかったので、店頭で駄菓子も売りつつ、座敷の壁には売り物のおもちゃを飾ったりもしていますね」

奥の座敷は、あえて斜めにした天井で落ち着く空間を演出している

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世界の料理と組み合わせる、浅草式「煎餅もんじゃ」

店名にある「煎餅もんじゃ」とは、どのようなものなのだろうか?

「先に生地だけを薄く伸ばしてよく焼いて、焼けた薄皮の端をつまんで剥がしたものが煎餅もんじゃです。お茶やビールによく合うんですよ。それをつまみながら、コテで具を刻んで全体を焼くのが浅草式のもんじゃ焼きです」

もんじゃメニューには世界各国の料理とミックスしたものが多い。たとえば「ロシアもんじゃ」は、ビーツ、牛すじ、ハーブ、スパイス、最後にサワークリームで仕上げるボルシチ風。「イタリアドゥウェもんじゃ」は、クリーミーなブラータチーズと「モルタデッラ」というイタリアのやわらかく上品な味わいのハムを使っているという。

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松嶋三郎

ライター: 松嶋三郎

フリーランスのライター。堅いネタから柔らかいネタまで、週刊誌やビジネス誌など紙・Web問わず多数のメディアで執筆中。「書く記事はジャンルも内容も媒体も食わず嫌いしない」がモットー。 https://twitter.com/matsushima36