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販売チャネルの多様化で15坪月商1,100万円! 『本格餃子 包』の成長戦略

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写真中央が株式会社MINORUの石野智之社長、右が同社GMの舟久保勲男氏。左は業態開発を手がけた株式会社Rivermouthの長谷川健社長

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コロナ禍をきっかけとし、販売チャネルの多様化を図る飲食店が増えたが、思うような成果につながらないケースも多い。テイクアウト、デリバリーに力を入れ過ぎたことで、外食マーケットが回復した今になり業績を落としてしまう、という新たな課題も浮上している。

そんな中、販売チャネルの多様化により大きく売上を伸ばしているのが東京・池尻大橋の中華酒場『本格餃子 包』だ。餃子を看板メニューに掲げて2021年3月にオープンし、コロナ禍ではテイクアクト、デリバリー、冷凍餃子のECで売上を伸ばしていた。外食マーケットが回復してからはイートイン売上が大幅に増加。2023年5月には15坪30席の規模で最高月商1,100万円をマークしている。

売上増を続ける『本格餃子 包』のヒットのポイントはなにか。同店を運営する株式会社MINORUの石野智之社長と業態開発を手がけた株式会社Rivermouthの長谷川健社長に聞いた。

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東急田園都市線池尻大橋駅から徒歩3分の幹線道路沿いに店を構える。14~17時のアイドルタイムも地元住民や学生などが来店し、客足が途絶えない

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2021年3月のオープン以降、売上は右肩上がりを継続中

『本格餃子 包』のオープンは2021年3月とコロナ禍真っ只中。開店休業状態だった既存店の『餃子酒場 ツツム』からの業態転換だったが、この試みは大成功する。オープン以降、売上は右肩上がりを継続しており、直近の2023年5月には月商1,100万円を達成。注目したいのが、その売上構成比率の推移である。

下記に2021年7月、2022年5月、2023年5月実績の時間帯別・販売チャネル別売上とその構成比率を一覧にまとめた。

『本格餃子 包』の売上構成

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新型コロナ第4波の発生時期と重なる2021年7月の月商は300万円。そのうち、テイクアウトやデリバリーの月間売上は164万円。売上構成比率は54.7%だった。2021年12月からは冷凍餃子のEC販売もスタートし、こちらも月間50~70万円を売り上げた。

写真手前から看板メニューの「本格手打 焼き餃子」(5ヶ780円)、「薄皮 焼餃子」(6ケ580円)。味付けはオーソドックスな醤油だれのほかにオリジナルの味噌だれも用意している

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外食マーケットの回復にともない、イートイン売上を伸ばしてきたが、特筆すべきはイートイン以外の月間売上も200万円の水準を維持し続けていることだ。

2023年5月の売上の内訳はイートイン860万円、イートイン以外240万円。『本格餃子 包』は15坪30席の規模だが、販売チャネルの多様化によって坪月商73万円を叩き出しているのである。

看板メニューの「本格手打 焼餃子」はテイクアウト、デリバリーでも売れ筋1位。価格はテイクアウト、デリバリーとも1箱(5ヶ)780円

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栗田利之

ライター: 栗田利之

フリーランスの記者として、15年以上にわたって外食経営誌の記事を執筆。大手、中堅の外食企業や話題の繁盛店などを取材してきた。埼玉県下を中心に店舗網を拡げている「ぎょうざの満洲」が贔屓の外食チェーン。