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“超”ドミナント経営で月商1,100万円。三茶の呑兵衛が集う人気酒場『いざかや ほしぐみ』

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株式会社ほしぐみ代表・柳生久輝氏。『いざかや ほしぐみ新館』にて

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呑兵衛の聖地とも呼ばれる東京・三軒茶屋の「三角地帯」は、昭和の風情漂う大衆居酒屋が軒を連ねるディープな酒場街。その一角に本店を構える『いざかや ほしぐみ』ブランドは、徒歩二分圏内に系列店二店を展開するコンパクトなドミナント経営で月商1,100万円を売り上げる。同一ブランドを掲げながらも三店舗それぞれに異なるテーマを持たせることで、幅広いターゲットへのアプローチを可能にしたアイデアもユニークだ。代表・柳生久輝氏にその戦略をうかがった。

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ワインをビール感覚でもっと気軽に。コンセプトは「ワインの飲める赤提灯」

あえて平仮名で記された店名の字面や、シンボルマークである星印から、どこか愛嬌すら感じさせる『いざかや ほしぐみ』は先月、本店のオープンから14周年を迎えた。

東京・三軒茶屋の『いざかや ほしぐみ』本店。軒先には赤提灯が

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代表を務めるのは、柳生久輝(やぎゅう・ひさてる)氏。2009年6月、「ワインの飲める赤提灯」をコンセプトに、三軒茶屋の通称「三角地帯」エリアに人情味あふれる本店『いざかや ほしぐみ』をオープンさせた。翌年、その斜向かいに串揚げをメインとした二号店『ほしぐみ フライドキッチン』を出店し、事業を拡大。さらに2020年1月には『いざかや ほしぐみ新館』として茶沢通り方面にも進出するなど、現在三軒茶屋の駅前で計三店舗を手がけている。すべての店が駅から徒歩一分圏内という絶好の立地にある上、店舗間もわずか三分足らず。この超コンパクトなドミナント経営こそ、月商1,100万円を上げるほしぐみブランドの基盤だ。

空間、料理、シーンなどで、さまざまな表現ができる飲食の世界に魅了され転身を決意

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「高級住宅街といわれる世田谷区にありながら、ほどよいローカル感と雑多感があり、地元民にもお酒好きにも愛される独特な街ですよね」

三軒茶屋の街の魅力をそう話す柳生氏はかつて、グラフィックデザイナーとしてワインのエチケットデザインなどを手がけていた異色の経歴の持ち主。幅広いクリエイティブ要素を持つ飲食の道へ転身すると、ビールのような感覚で気兼ねなくワインを楽しめる居酒屋をつくりたいと、約30種のボトルワインを一律3,000円ほどで提供するスタイルを打ち出し、昔ながらの三茶の飲み屋街に新たな風を吹き込んだ。

今でこそ気軽にワインが飲める店は全国的にも増えたが、当時はまだ、小洒落たレストランかソムリエがいる専門店で提供される印象が強かった時分。『いざかや ほしぐみ』は、均一価格というカジュアルさや、「塩煮込み 柚子こしょうトースト」をはじめとしたビストロ風のオリジナル居酒屋メニューなどで見事に客の心をつかみ、今や街を代表する人気酒場となった。

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山本愛理

ライター: 山本愛理

フリーライター・エディター。WEBを中心に食にまつわる記事を執筆。 昔ながらの喫茶店から星付きレストランまで、美味しいものを通して幸せな時間を提供してくれる人の声と熱を届けるのが好き。空いた時間はもっぱらカフェ巡り。