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今年は飲食店の「火災」が多発! 主な出火原因は「ガス機器の放置」。徹底した対策を!

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東京消防庁の発表によると、2023年は例年よりも飲食店の火災が多く発生している。飲食店では火を扱うことが多いため、住宅以上に火の元には注意する必要がある。今回は、飲食店の火災についての現状や出荷原因、飲食店での火災を防ぐポイントについて紹介する。

飲食店の出火原因は大型ガスコンロが最多

ここ数か月、飲食店での火災のニュースをよく目にするようになった。例えば、9月には渋谷センター街のビル1階の店舗で火災が発生。この火災原因は、排気ダクトから火の粉が上がった可能性が指摘されている。

ニュースになった火災だけでなく、東京消防庁が発表した2023年上半期の火災状況からも、例年よりも建物火災が多く発生していることがわかる。建物用途別に見てみると住宅が最も多いが、次いで多いのが飲食店だ。東京消防庁管内での飲食店の火災は184件で、昨年の128件を56件上回っている。

飲食店火災の出火原因は、大型ガスコンロが47件で最多。次いで、大型ガスレンジが17件、コンセントが7件、たばこが6件と続く。大型ガスコンロは昨年よりも11件増えており、飲食店では特に注意しておきたい。

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飲食店での火災を防ぐポイント

飲食店での火災は、調理中に火をかけたまま調理場を離れ、それを忘れて放置したことによるケースが多い。また、出火してしまった場合、油がたまった排気ダクトに火の手がまわることで火災が拡大してしまうこともある。

東京消防庁では、飲食店の火災を防ぐポイントとして以下の3点を挙げているので、しっかり確認しておきたい。

■防火意識の向上を図る
火をかけたことを忘れる、放置するなど、飲食店火災は不注意による出火が多くなっているため、スタッフの防火意識の向上を図ることが大切だ。例えば、出火・延焼拡大の原因や火災時の行動などをまとめた「防火意識向上シート」を作成し、厨房の見やすい場所に貼るといったことなどが考えられる。

■排気ダクトなどを点検する
管理不足の排気ダクトなどは延焼の原因になる。排気ダクトのほか、天蓋、グリス除去装置、防火ダンパーをどのように点検すればいいかをまとめた点検シートを作成し、日常的にまたは定期的に点検を行うといいだろう。

■排気ダクトなどを清掃する
排気ダクトや天蓋などは点検シートに基づいて、必要があれば清掃を行う。点検や清掃については、専門的な知識と技術を持った専門業者に依頼することも検討しよう。

これからの季節は空気が乾燥するため、一度出火すると火が燃え広がりやすくなる。排気ダクトの清掃を行うことはもちろん、ちょっとした不注意でも出火につながることがあるため、防火意識を向上させて火災を予防することが大切だ。

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富江弘幸

ライター: 富江弘幸

ビールライター、編集者。出版社などでライター・編集者として活動し、中国留学、英字新聞社勤務などを経てビールライターに。ビアジャーナリストアカデミー講師も務める。著書に『教養としてのビール』(SBクリエイティブ)。https://localandbeer.com