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『高円寺 動悸』わずか3か月で月商650万円達成! 仕掛け人が語る “勝つ”コンセプトの作り方

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写真左から、株式会社M&Coの森智範氏とフードクルーズファクトリーの澤邉真一社長

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2023年8月13日、東京・高円寺にオープンした『高円寺 動悸(ときめき)』。プロデュースするのは、オープンから14年を経た今も27坪60席の規模で、月商1,200万円を売り続けている福岡・今泉の『博多炉端 魚男(フィッシュマン)』など、300を超える業態、商品のプロデュースを手がけてきた大ヒットメーカー・森智範氏だ。

『高円寺 動悸』の売りは、分子栄養学に基づく健康に配慮した料理。難解にも思えるメニューコンセプトを打ち出しながら、繁盛店をつくり出していくための極意について森氏と運営会社フードクルーズファクトリーの澤邉真一社長にうかがった。

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高円寺純情商店街沿いにあるマンションの商業フロア地下1階に店を構える。通りからの視認性が悪いこともあり、テナントがたびたび入れ替わる物件だという(画像提供:フードクルーズファクトリー)

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スタッフのセカンドキャリアを見据え、スキルアップにつながる業態にチャレンジ

東京・高円寺の居酒屋『高円寺 動悸』が掲げるフードコンセプトはやや難解だ。分子栄養学に基づいた「血糖値が上がりにくい」「食べても太りにくい」「美しさをキープする」効果が期待できる料理。娯楽性の高い居酒屋はヘルシー志向の料理ともともと相性があまりよくなく、これほど堅苦しいテーマだと「看板倒れ」に終わってしまうことも懸念されるが、『高円寺 動悸』の集客は至って順調である。

店舗規模は27坪44席。高円寺純情商店街沿いにあるマンションの地下1階に入居しており、通りからの視認性は悪いものの、予約客を中心に連日満席となる集客力を発揮。10月には月商650万円突破を果たすなど、オープン以降、着実に売上を伸ばしている。

これまでに300を超える業態、商品のプロデュースを手がけてきた森氏。坪月商45万円を売り上げる福岡・今泉の『博多炉端 魚男 FISHMAN』のオーナーでもある

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『高円寺 動悸』の開発を手掛けたのは外食店の大ヒットメーカーとして知られる株式会社M&Co代表取締役の森智範氏だ。森氏がプロデュースした東京・大手町の懐石居酒屋『梯子』のコンセプトに株式会社フードクルーズファクトリー代表取締役の澤邉真一氏が共感。二人がタッグを組み、『梯子』のスピンオフ業態として『高円寺 動悸』がつくり出された。

澤邉氏は2003年にフードクルーズファクトリーに入社。店長、統括マネジャー、営業部長を経て、2022年4月に代表取締役に就任した

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フードクルーズファクトリーは『ディプント』や『土間土間』などフランチャイズ(FC)加盟店を中心に外食14店を展開。「FC店はビジネスモデルが確立されていることが強みですが、仕組みがしっかりしている分、スタッフのスキルアップの幅が限定されてしまう側面があります。40代、50代のスタッフが独立を含めたセカンドキャリアにステップアップできるようにするため、より幅広いスキルを習得できる業態の必要性を感じたことが、森さんに業態プロデュースをお願いするきっかけになりました」と澤邉氏は説明する。

それに対し、森氏は「業態プロデュースは、ただ箱だけを提供しても長続きしません。大事なことはその企業の強みをどう活かせるかということ。フードクルーズファクトリーのスタッフの皆さんはノウハウの吸収に意欲的ですから、業態難易度が高くてもそれに適応できると考え、『高円寺 動悸』のプロデュースをお引き受けすることにしました」と言う。

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栗田利之

ライター: 栗田利之

フリーランスの記者として、15年以上にわたって外食経営誌の記事を執筆。大手、中堅の外食企業や話題の繁盛店などを取材してきた。埼玉県下を中心に店舗網を拡げている「ぎょうざの満洲」が贔屓の外食チェーン。