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『初場所 中目黒』50席が昼も夜も満席! 現代版「普通の居酒屋」成功の道筋

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近藤商会代表の吉利雄太氏

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『ROJIURASAKABA 青 CORNER』をヒットさせ、現在は『鳩乃湯』などを展開する近藤商会の吉利雄太氏と、『雛家』、『とろわる』などを手掛けるRhythm Placeの加藤亮氏が共同経営で立ち上げた『初場所 中目黒』。「普通の居酒屋」というコンセプトに潜む店づくりの極意を、代表の吉利雄太氏に取材した。

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中目黒駅から池尻大橋駅方面へ徒歩10分ほど。間口が広く開放的な雰囲気の『初場所 中目黒』

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『初場所 中目黒』のオープンは2021年7月。近藤商会が中目黒の住宅街で経営していた『ROJIURASAKABA 青 CORNER』が、コロナ禍で休業状態になった時期だ。以前から近隣への騒音問題や建物の老朽化といった課題もあったため、新たな場所を探す中で出合ったのが現在の物件だった。

「山手通りの交差点に面した1階という視認性抜群のロケーションで、イケるという確信はあったものの、30坪は自社だけで運営するには広すぎる。そこで、旧知の仲である加藤さんと共同経営という形で出店を決めました」と吉利氏。当時は、コロナ禍の真っただ中。先行きも見えずみんな後ろ向きな状況にあって、前に進んでいる姿勢をお客にもスタッフにも見せたいと考えたことも開業を後押しした。

居心地のよさを追求し、30坪に50席をゆったりと配置

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「普通の居酒屋」の世界観を徹底しつつ、居心地のよさも演出

コンセプトは、「昔ながらの普通の居酒屋」。蛍光灯の白い光が煌々と照る明るい空間に、丸椅子を並べたカウンターやテーブル席、小上がり席を配置しており、壁には昔ながらのメニュー札がずらりと並ぶ。

「小上がり席を設けたのは、空間に凸凹をつけたかったのと、グループの宴会客に対応するため。それに、畳に素足で上がる感覚が、僕らが目指す居酒屋の姿にマッチするんです」と吉利氏。一見すると大衆酒場の雰囲気だが、カウンターの天板は5メートルの一枚板、外壁は砂利を敷き詰めた左官仕上げを採用するなど、ディティールへのこだわりが安っぽさを感じさせない空間を作り上げている。さらに、通路の幅を広く確保し、大衆酒場にありがちな圧迫感をなくしているのも特徴で、「大衆的だけど清潔感があって、ゆったりと飲食を楽しめる」店づくりが若い世代の集客に繋がっている。

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笹木理恵

ライター: 笹木理恵

飲食業界専門誌の編集を経て独立。スイーツ・パンからフレンチ、ラーメンなどまで、食のあらゆるジャンルを担当。飲食専門誌を中心に、一般雑誌やWEB、書籍などで活動している。「All About」「Yahoo!ニュース個人」でも執筆中。 https://foodwriter-rie.com/