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渋谷『テンキ』、オープン1年で超繁盛店に成長。姉妹店『KAMERA』と共通するヒットの法則

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働きやすさややりがい、仕事が好きと思えるモチベーションづくりが、『テンキ』の接客パフォーマンスに大きく影響している

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「店が好き」がモチベーション。社員の自主性を育てる教育

『テンキ』は接客にも定評がある。実際、「みんなサービス業の素質に長けた人ばかりで安心です」と亀谷氏。一体どのような教育をしているのだろうか。聞くと、目良氏も亀谷氏も口を揃えて、特別な指導はしていないという。とはいえ、スタッフ自らがインスタグラムの個人アカウントで営業の様子をアップし、お客との相互フォローでコミュニケーションを取るなどのアプローチが当たり前に行われているそう。お客として通ううちに好きが高じて入社したスタッフも多いというから、もともと店への愛着が強く、それがお客とのコミュニケーション力にもつながっているのだろう。

一方で、スタッフ一人ひとりの高いモチベーションの要因は、働きがいのある職場環境にもありそうだ。

「スタッフは全員3か月ごとの目標設定を基本に、新しいことに挑戦してもらう機会をつくっています。例えばメニュー表の発注業務や、ノベルティの作成、イベントの企画運営など。未経験であっても個人の能力を生かせる業務を任せています。こうした成功体験の積み重ねで、成長を実感している様子は見て取れます」(目良氏)

メニュー表は小さな冊子。シーズン毎に年4回更新される

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そのほか、素晴らしい外食経験をしてほしいという思いから月2万円の外食手当があったり、タトゥー手当、女性向けの美容手当といった、ユニークながら、渋谷カルチャーを体現するスタッフたちが本当に喜ぶ福利厚生も充実している。また社員旅行として海外旅行を予定しているなど、現場の雰囲気を良好に保つ工夫が盛りだくさんだ。働きやすさややりがい、仕事が好きと思えるモチベーションづくりが、接客パフォーマンスに大きく影響していることがうかがえる。

3店舗目となる新たな業態開発を思案中

オープンからまだ1年未満だが、すでに渋谷で異彩を放つ唯一無二の繁盛店になった。今は食事目的の利用が多いが、1杯からフラッと立ち寄ってもらう気軽な利用も歓迎し、常連客の来店頻度をあげたいと話していた。

認知度が高いながらも進化の乏しい定番料理に目をつけたこの業態開発のスタイルは、人気業態を生み出すメソッドとして定着したと言える。同じ手法で渋谷に3店舗目の出店を検討中だというから、次なる展開にも目が離せない。

店頭に看板はない。店内の窓際にひっそり掲げた店名ロゴ

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『テンキ』
住所/東京都渋谷区桜丘町29-26 エクセレンスビルディング桜丘町2F
電話番号/03-6427-0503
営業時間/火〜土17:00~24:00、日17:00〜23:00
定休日/不定休
席数/20+スタンディング

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松本ゆりか

ライター: 松本ゆりか

東京でWebマーケターを経験した後、シンガポールへ渡りライフスタイル誌やWebメディア制作に携わる。帰国後、出版社勤務を経てフリーライターに。主に中小規模ビジネスや働き方に関する取材・執筆を担当。私生活ではひとり旅とはしご酒が好きなごきげんな人。