「2024年問題」６割の飲食店が「影響あり」と回答も、対策が完了した飲食企業は１割以下
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飲食店向け業務効率化ツールを提供する株式会社Goalsが行った意識調査で、2024年問題による配送などの影響に対し、対策が完了した飲食店は1割に満たないことがわかった。配送コストの増加や納品スケジュールの変更など、飲食店の仕入れに大きく関係すると予測しているものの、飲食店側の対策はまだ十分ではないと自覚し、必要な対応策を模索しているようだ。
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■調査概要
調査対象：5店舗以上の飲食店を運営する企業に勤務する役員・管理職
回答数：200名
調査期間：2024年2月
調査方法：インターネット調査
※詳しい調査結果はこちら
６割の飲食店が「経営に影響する」と回答。配送回数を減らすなどの対応も
株式会社Goalsは、飲食企業に勤務する役員・管理職を対象に「2024年問題に対する飲食企業への意識調査」を行った。これまで猶予されてきた、物流・運送業界での時間外労働の上限規制が始まる2024年4月を目前に、飲食企業はどのような対応をしているのだろうか。
まず物流の2024年問題が、自身の経営・運営する飲食店に影響を与えるか尋ねた質問では、「はい」が60％、「いいえ」が17.5％、「わからない」が22.5％という回答だった。
「飲食企業従事者に対する『2024年問題』に関しての意識調査（株式会社Goals）」より
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具体的にどのような場面で影響がありそうかを尋ねた質問では、最多が「配送料・運賃の増加（92.5％）」で、コスト増加に対して懸念していることがわかる。続いて「店舗への配送時間帯の変更」や「発注納品スケジュールの変更」など、仕入れや納品スケジュールの変更を余儀なくされるのでは、という点に注目が集まっていた。
「飲食企業従事者に対する『2024年問題』に関しての意識調査（株式会社Goals）」より
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検討・実施している対応策についての結果を見ると、過半数を超える企業が「店舗への納品日数の削減」を挙げていた。続いて「店舗にある在庫量の見直し・変更」や「納品時間の変更に伴うシフトの見直し」など、ドライバー不足に理解を示し、効率的な配送に協力する姿勢が見える。
ただし、これらの対応策を実行するには課題もある。30％を越える企業で「店舗バックヤードの配置変更が難しい」「店舗での発注方法の運用変更が難しい」など、店舗オペレーションの変更に課題感が募っているようだ。
対策実施率は８％。８割以上の飲食企業が、対応策に不安の声
対応策の対応状況について尋ねた質問では、「実施済み」はわずか8.0％と1割以下に留まっている。一方、施策について「検討中」や「実施予定」と答えたのは46.0％、「実施予定はない」と答えたのは31.5％にも上る。
法改正適用が2024年4月に迫っているが、「3月までに対策が完了する予定」としている企業は25.5％と少ない。さらに言えば48.2％もの企業が、対応が完了する時期は「未定」だと回答している。
最後に、対応策が十分だと感じているかとの質問では、「はい」が18.0％、「いいえ」が34.5％、「わからない」が47.5％と、不安の色がのぞく結果となった。
「飲食企業従事者に対する『2024年問題』に関しての意識調査（株式会社Goals）」より
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法改正適用が来月に迫るなか、飲食店における物流問題の対応策は十分ではないようだ。調査の中で多くの企業が懸念していた「配送コストの上昇」に加え、「配送遅延」や「配送スケジュールの変更」も想定される。即日配送による産地直送の食材調達などは、今後これまで以上に困難になるかもしれない。
仕入れ食材の配送頻度をなるべく下げるためにも、冷凍食材を活用する、店内の在庫保管スペースを見直すなど、飲食店ができることを検討していこう。
