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おでん居酒屋『ゑぶり場亭”』、2か月先まで予約で埋まる理由【連載:居酒屋の輪】

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『ゑぶり場亭” (エブリバディ)』を切り盛りする店主・小木泰輔さん

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繁盛している居酒屋はどこかで必ずつながっている。名店誕生までのストーリーを探りつつ、また別の新しい名店を紹介してもらう連載企画。今回は名酒場がひしめく激戦区、野毛で頭角を現している繁盛店の立役者が、感動を生むサービスとスタッフ育成の秘訣を明かす!

2018年6月『呑毛笑店 ゑぶり亭“(ノゲショウテン エブリデイ)』をオープンし、2年足らずで月商1,000万円を超える繁盛店に成長させた小木泰輔さん。2022年10月、新たに仕掛けた店舗『ゑぶり場亭”』は住所や電話番号などすべて非公開。予約受け付けはInstagramを介してのみと非常にクローズドながら、オープン以来ずっと満席続き。現在も2か月先まで予約が埋まっている状況だ。

夏場であっても名物はおでん。詳細は「来てからのお楽しみ」とのことで非公開だ

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冬はもちろん夏でも美味しいおでんのポテンシャル

寒い季節に熱々のおでんが好まれることは理解できるが、うだるような暑さが続く夏でも人気を集める理由は何なのだろう?

「真冬にこたつでアイスを食べるのって最高に贅沢じゃないですか。それと同じように、キンキンに冷えたお店の中でおでんを楽しむのも良いものです」という小木さんの狙い通り、記録的な猛暑となった7月も予約の問い合わせは止まらなかったという。

店にメニューはなく料理はおまかせコースのみ。まずは振舞い酒からスタート

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お店はカウンターのみの全8席。最初に予約を入れたお客さんの時間に合わせ、一斉にコース料理をスタートさせることで、美味しさや感動も共有できる仕組みだ。

「おでんの前に1時間ほどは一品料理を楽しんでいただきます。まずはサービスの振る舞い酒から。定番となっているのは『満寿泉 貴醸酒 富山県枡田酒造』。美味しい日本酒を知ってほしくて、ぜひ飲んでいただきたいからサービスでお出しすることにしました」

仕込み水の代わりに酒を使用して醸造する貴醸酒は、甘口でリッチな味わい。フランス料理などの食前酒として好まれる貴腐ワインと共通点が多いことから「振舞い酒にする着想を得た」と小木さんは語る。

さらに料理の1品目も料金には含まれないサービス品。すりたての本山葵と1〜2週間ほど熟成させたマグロを振る舞うのが定番という。

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佐藤 潮.

ライター: 佐藤 潮.

ミシュラン三つ星店から河原で捕まえた虫の素揚げまで、15年以上いろいろなグルメ記事を制作。酒場系の本を手掛けることも多く、頑固一徹の大将に怒られた経験も豊富だ。現在、Webのディレクターや広告写真の撮影など仕事の幅が広がっているが、やはりグルメ取材が一番楽しいと感じている。