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猛暑でトマトやネギなど「野菜価格」が高騰。飲食店の仕入れコストにも影響か

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さまざまな原材料の価格が高騰している現在、野菜も例外ではない。2023年の夏は記録的な猛暑となったこともあり、トマトやネギなどの小売り価格が高騰している。今回は、野菜の価格高騰の要因と今後の見通しについて解説する。

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ニンジン、ネギ、大根、トマトなどの価格が平年を上回る

原材料の価格が高騰している中、野菜の価格も例年以上に高騰している。その要因は猛暑。2023年6月〜8月は1989年の統計開始以降、最も高い平均気温となった(日本気象協会の発表より)。東京での猛暑日も過去最多の22日となり、野菜の生育に影響を与えている。

農林水産省の「食品価格動向調査(野菜)」によると、「令和5年10⽉9⽇の週」の調査対象8品⽬(キャベツ、ネギ、レタス、タマネギ、トマト、ニンジン、ハクサイ、ダイコン)の価格は、平年比107%〜145%となっている。8品目すべてが平年より高いという状況だ。

中でも、ネギが145%、ニンジンが141%、ダイコンが129%、トマトが127%と特に高くなっている。いずれも猛暑の影響による生育の悪さ、出荷数の減少などが原因だ。また、レタスの10月前半の価格は平年を下回るが、10月後半からは平年を上回る見込みとなっている。

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10月後半から11月には価格が落ち着く見通し

では、野菜の価格高騰はいつまで続くのだろうか。農林水産省が発表した「野菜の生育状況及び価格見通し(令和5年10月)について」によると、ダイコン、ニンジン、ネギについては、10月中は平年を上回る見込みだ。

トマトについては、気温の低下によって生育が回復し、10月後半からは平年並みの価格になるとされる。その他の野菜も猛暑による影響があったものの、生育は回復してきており、11月中旬頃には平年並みの価格で落ち着くとみられる。

野菜はどうしても気候の影響を受けやすい。食材の価格高騰は店舗経営にとって痛手だが、価格見通しを把握しておくことで、できる限りの対策を考えておきたい。

<参考資料>
・農林水産省・食品価格動向調査(野菜)より「令和5年10月9日の週【10月9日~10月11日】」(PDF)
・農林水産省・需給、ガイドライン、入荷及び価格の見通し等に関する情報より「野菜の生育状況及び価格見通し(令和5年10月)について」(PDF)

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富江弘幸

ライター: 富江弘幸

ビールライター、編集者。出版社などでライター・編集者として活動し、中国留学、英字新聞社勤務などを経てビールライターに。ビアジャーナリストアカデミー講師も務める。著書に『教養としてのビール』(SBクリエイティブ)。https://localandbeer.com